老後に備えて不動産投資を始めたいと思いますが、これからどうなるでしょうか?

不動産・相続について教えて!

まねっぴに質問

私は51歳、男性、会社員 独身です。年収600万円、資産総額(株式を含め)約4,000万円です。今までは、株式投資や仮想通貨への投資をしていましたが、株価もピークと思えるので、老後を見据えて、アパート経営を検討しています。これから日本の人口は減少することが分かっています。コロナの影響で都心でも会社が自社ビルを売りに出している話も聞いたことがあります。このような状況で不動産投資をして儲かる可能性はあるのでしょうか。もちろん一部の優良な場所では借り手があると思いますが、全体的な賃金は下がると思うので利益はあまり出ない気がします。不動産投資のリスクや今後の考え方を教えて欲しいです。

まねっぴの回答

質問内容拝見しました。
老後に備える為に不動産投資を検討されているということですね。それでは、不動産を巡る環境がどのようなものか見てゆきましょう。まず現在の日本では、少子高齢化は歯止めがかからず、好転の兆しが全く見えません。日本はこれから急激に人口が減少してゆき、2050年までに人口が1億人を割るとの試算もあります。中長期で見れば、間違いなく不動産市場は縮小してゆくでしょう。このような環境下での不動産投資のリスクについてお答えします。

結論から申し上げれば、これからの不動産投資は厳しいと言えます。

不動産投資における主なリスクは以下の通りです。
 ①空室リスク
 ②不動産価格下落リスク、家賃の下落リスク
 ③老朽化リスク
 ④金利高騰リスク
 ⑤天災リスク 

空室リスク

不動産投資における一番のリスクは空室リスクです。入居者がいてこそ成り立つビジネスモデルですので、入居者がいなければ収益は「0」ですが、固定資産税や修繕費など経費だけがかかり続けます。全国的に人口が減ってゆく中では、よほどの好立地でない限り、空室リスクは段階的に高まってゆきます。

総人口は27万6千人の減少
総人口,日本人人口ともに9年連続の減少

総務省統計 
人口推計(2019年(令和元年)10月1日現在) 
https://www.stat.go.jp/data/jinsui/2019np/index.html

不動産価格下落リスク、家賃の下落リスク

近年、東京オリンピック需要やインバウンドを背景に首都圏・大阪府では不動産価格が高騰していましたが、首都圏でも不動産価格が下落してゆく可能性が高いです。首都圏地価が下落に転じれば、地方都市は人口減少を伴って一段と下がるでしょう。不動産価格が下落すると、当然ながら家賃相場も下がります。アパート経営をされるなら、年間の収益を計算して、物件購入をするわけですが、家賃が年々減少すれば、投資額を回収できる期間が大幅に伸びたり、回収できないケース出てくるでしょう。

2021年2月26日 18時50分
東京都の今月1日現在の人口がおよそ四半世紀ぶりに前の年の同じ月を下回りました。専門家は「新型コロナウイルスの影響でリモートワークが進み、仕事と住居の場が切り離されつつあることなどが人口減少につながっている。歴史的な転換点だ」と指摘しています。
東京都によりますと、今月1日現在の人口は推計で1395万2915人で、去年の同じ月より600人余り減少しました。前の年の同じ月を下回るのは1996年6月以来24年8か月ぶり、およそ四半世紀ぶりです。先月と比べると7300人余り減っていて、去年8月以降7か月連続の減少です。また、ほかの道府県に転出した人は都内に転入した人より2800人余り多く「転出超過」が続いています。「転出超過」も7か月連続です。東京の人口は1963年に1000万人を超え、その後横ばいの時期もありましたが1997年以降は増加が続き、2010年には1300万人、去年5月には1400万人に達していました。人口問題に詳しいみずほ総合研究所の岡田豊主任研究員は「新型コロナの影響でリモートワークが進み、仕事と住居の場が切り離されつつあることなどが人口減少につながっている。歴史的な転換点だ」と話しています。

出典:NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210226/k10012887831000.html

老朽化リスク

入居率が良くても悪くても、建物は年月とともに必ず劣化します。築25年から30年で修繕工事をする必要が出てきます。場合によっては建て替えをしないといけない場合もあります。満室経営で十分な資金がある場合なら、工事費用や建て替え費用を捻出できるでしょうが、空室が多くギリギリや赤字経営であった場合は、不本意ながら売却せざるを得ないという事態になってしまいます。

金利高騰リスク

今まで不動産投資が活況であった要因は、低金利です。日銀のマイナス金利政策により低金利に抑えられてきたわけですが、この先数十年にわたって、この金利が続く保証はありません。最近、米国債の金利上昇に伴って、10年物日本国債の金利が一時的に急騰する場面がありました。今後は、低金利が続くというよりも、上昇してゆくことを前提に考えた方がよさそうです。

天災リスク

近年の日本では、台風・洪水・地震という自然災害が増えています。経営していたアパートが洪水で流されてしまったり、地震で全損した場合には、事業が継続できなくなってしまいます。当然、火災保険・地震保険には加入されると思いますが、元通りにはならないでしょう。災害大国である日本では、天災リスクも見逃せません。

J-REITについて

今の日本には不動産投資をするにあたってのリスクが山積みです。しかし、どうしても不動産投資をしたいということなら、REIT(Real Estate Investment Trust)という手段もあります。REITとは投資家の出資金を元に、投資法人が不動産を運用し、その運用益を分配金として投資家に還元するものです。既に上場しているJ-REITも未上場のJ-REITも証券会社を通じて購入することができますので、目論見書を見て、自分の投資スタイルに合った商品を選ぶことができます。

メリット
・株式購入のように簡単に売買ができる(購入や撤退も容易)
・株式よりも高い配当利回りが可能
・現物の不動産投資よりも少額で投資が可能(10万円~100万円)

デメリット
・元本保証ではありません
・家賃の変動により、分配金が変動する可能性があります
・上場廃止リスクがあります(上場廃止になった場合は、取引が困難になります。)

現物の不動産投資もJ-REITもメリット・デメリットがありますので、単純に比較することはできません。不確実性が高い日本の不動産市場において、どちらが低リスクなのか?という観点で検討してみてはいかがでしょうか。

最後に  ~今後の不動産市場~

従来の昭和型の日本であれば、20代から30代で結婚して子供を産み、育てる。そして満員電車で通勤するというのが一般的でした。しかし、ライフスタイルが多様化してきており、結婚をしない生き方、子供を産まない生き方も増えてきました。また、働き方も多様化しており、会社員ながら在宅ワークをする方も増えました。当然ながら、住む環境も多様化します。生涯一人暮らしやシェアハウスでの生活、独居高齢者向けの住宅などニーズも様々です。

これからの時代は、立地が良いから容易に借り手が見つかるという簡単なものではなく、細かいニーズに合わせた住居展開をすることが求められてくるでしょう。
不動産は買ってしまってから、リスクに気づいても遅いです。冷静に中長期でのリスクとリターンを試算してから始めることをお勧めします。

最後に1点。今後、もし日本で少子高齢化が収まらず、大規模な移民を受け入れるということになれば、その時は不動産投資のチャンス到来となるでしょう。日本では移民に対する抵抗感があるので、実現は厳しいかもしれませんが。時代の動向を注視しなければなりませんね。
質問者様の投資ライフを陰ながら応援しております。

参考 損をするのは絶対に嫌です!元本保証やローリスクな投資方法について教えてもらえないでしょうか?

(留意事項)
本ブログをご参考にして頂ければ嬉しいですが、くれぐれも最終的な判断は自己責任にてお願いします。

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