2,000万円の生前贈与を受けました。老後に向けてどのように増やせばよいでしょうか?

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まねっぴへ質問

私は45才 女性 独身 音楽講師をしております。収入は年収200万円です。音楽教室との歩合制の契約になっており、生徒数やレッスン代に応じて給与が決まるので、収入は安定していません。今は実家暮らしなので、生計が成り立っていますが、今後も結婚する予定もなく将来が不安です。

最近、父親から生前贈与を受け、2,000万円の現金を得ました。若い頃は遠方までコンサートに通ったり散財してしまい、まとまった貯金はこの2,000万円だけです。これを機に投資で資産を更に増やせたらと思い始めました。色々な方法があり、どれが自分に適しているのかよくわかりません。アドバイスお願い致します。

まねっぴの回答

質問内容を拝見しました。
生前贈与で現金を得たので、将来に向けて運用したいということですね。恐らく質問者様は、音楽教室と雇用契約を交わしている会社員ではなく、音楽教室との業務委託契約している個人事業主かと推測します。個人事業主の場合は、1号被保険者として将来の年金が国民年金(老齢基礎年金)のみとなりますので、平均受給額は5万5,000円となります。将来必要な金額と年金支給額との差額を埋める為に運用が必要となります。今回は、手堅い国民年金基金と投資信託での運用の2本立てでのご提案となります。

国民年金基金

国民年金基金とは国民年金(老齢基礎年金)とセットで、自営業者など国民年金の第1号被保険者の老後の所得保障をする制度になります。会社員(2号被保険者)の場合は、厚生年金が基礎年金の2階部分に当たりますが、個人事業主の場合は、国民年金基金が2階部分になります。1号被保険者は国民年金基金とiDeCoを併用で積立が可能となりますが、月額68,000円(年額816,000円)までとなります。今回は手堅く国民年金基金のみで試算します。

国民年金基金に加入した場合
(例)45才から60才まで15年間加入 終身年金B型に7口加入
(払込額)月額掛金65,150円×12ヶ月×15年=総払込額1,172万円
(受取額)65才からの受取額(月額)50,000円、(年額)600,000円 

65才からは、基礎年金55,000円と国民年金基金50,000円を合わせて月額110,000円を受給することができます。

A型は、保証期間があり、年金受給前または保証期間中に亡くなられた場合、遺族の方に一時金が支給されます。B型はA型のように保証期間がない代わりに、掛金を抑えることができます。今回、質問者様は未婚ということでB型にて試算しております。また、国民年金基金のメリットとしては所得控除の対象となりますので、年収200万円の場合は所得税と住民税の合計で年間158,000円(概算)軽減されます。このように国民年金基金は国の制度であり、支給額も決まっておりますので、安定した制度といえます。

参考 国民年金基金連合会

投資信託

投資の中でも一般的なものが投資信託です。投資信託とは、投資家から集めたお金をひとつの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品で、その運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっています。
さて、今回のケースでは上記のように相続額2,000万円の内、1170万円を国民年金基金で積み立てることにした場合、残額は830万円です。これを投資信託で運用したとします。ここでは、大きなリターンを狙って運用するより、リスクを抑えて年間2%の収益を見込み手堅い運用をお勧めします

投資信託の運用例
(例)830万円を年利2%で15年運用した場合  
60才時点の最終残高は1,120万円となります。 
国民年金基金・投資信託での老後収支

今回の運用の結果、老齢基礎年金55,000円と国民年金基金50,000円で105,000は65才から終身で入ってくることになります。老後支出は節約しながら、なんとか収支がプラスとなります。さらに現金預金が1,120万円ありますので、病気やケガなどの急な出費にも対応できます。
※自宅は両親から相続して、管理費・修繕費のみ要する計算としております。

老後に向けた運用を2点ご案内しましたが、あくまでこれらは現時点の年金制度をベースにした計算です。今後は少子高齢化が進むにつれて、支給年齢の引き上げや支給金額の引き下げといった制度変更される可能性が高いのです。
重要な点としては、年金頼みとせずに老後も働き続けることです。投資によってお金を増やす、節約によりお金を減らさないという前に、働き続けることで、老後の収支を安定させることができます。老後に向けて200万円を積み立てるのと、老後に年収200万円で1年間稼ぐのは同じです。質問者様の場合は会社員でないので、定年退職もありません。65才まで現役で働いた後も、体力の限り現役と同じように仕事を続けることができます。老後にペースを落としながらも、1万円でも収入を得ることが重要となってきます。その為には、中長期での生徒の囲い込み、音楽教室との契約だけでなく、自宅レッスンができるような環境作りを考えてみてはいかがでしょうか?

生前贈与の注意点

今回の生前贈与について1つ注意点があります。今回はお父様からの贈与ということで、用途により異なりますが、贈与税の対象になることが考えられます。

【贈与税の例】
 2,000万円を親から子へ贈与 税率45%として試算した場合
 基礎控除110万円
 基礎控除後の課税価格;1,890万円
 控除額:265万円
 贈与税額;585.5万円 

 ※「住宅取得等資金贈与の特例」「教育資金の一括贈与の特例」ではない場合と仮定します。 

贈与税の申告時期は、もらった年の翌年の2月1日から3月15日までにすることになっています。申告納期を送れた場合は、「延滞税」、申告しなかった場合には、「無申告加算税」、悪質な無申告に対しては最大40%という「重加算税」が課されます。いずれも高額なので、期日までに所定の金額を納めましょう。
親や親族からの贈与を受けた場合には、まずは税制度をしっかりと把握して、いくら支払って、いくらが手元に残るのかを事前に確認しなければなりません。全て使う計画を練ってから、使ってしまった後で、「えっ、税金納めなければならないの!」ということがないように、分からない場合は税金の専門家にも相談してみましょう。

最後に

今回はお父様からの生前贈与を活用して、質問者様の老後資金運用をご案内しました。一般的には一度に大金を手にすると、気が大きくなってしまって無駄遣いをしてしまいがちなのですが、将来に向けての貯蓄・運用をするという質問者様は賢い選択をされたと思います。もしかすると、お父様もそれを見越して生前贈与されたのかもしれませんね。質問者様はまだお若いので、人生の転機はこれからもあるかと思います。その都度、運用方法を見直しながらも着実に積み立てて欲しいと思います。音楽講師という手に職を活かして、前向きに老後の計画を練ってみて下さい。応援しております。

参考 コロナ禍で不安です。毎月の貯蓄額を増やす方法について教えて下さい。

(留意事項)
本ブログをご参考にして頂ければ嬉しいですが、くれぐれも最終的な判断は自己責任にてお願いします。

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