私は37才の女性です。子育て世帯は優遇されますが、独身者には何も恩恵がありません。

年金・保険について教えて!

まねっぴに質問

私は37才 女性 会社員 独身です。地方都市の中小企業で勤めており、一人暮らしです。年収は320万円です。私は独身で子供もいませんが、会社の同僚や後輩で結婚・出産して産休・育休の取得、時短勤務をする方が多く、そのシワ寄せが私達にきています。うちの会社は対外的なアピールのために、ワーキングマザーを推奨しており家族手当も支給されています。私達はそのような手当は貰えず仕事の負担だけが重くなっています。それとなく上司に相談したこともありますが、「助け合いだから上手くやろうよ」と濁されてしまいました。子供がいるか、いないかだけの差なのに不平等に感じることがあります。また、子供のいる家庭には児童手当や教育費の無償化など税金で補助する制度がありますが、私達のような独身者には何の還元もありません。自分達の生活もそんなに余裕がある訳ではないのに、これから少子高齢化が進行してゆけば、さらに子育て世帯が優遇されてゆき、独身者は納税するだけで何の恩恵もなく、独身者だけが損をするような社会になるのでしょうか?宜しくお願いします。

まねっぴの回答

質問内容を拝見しました。会社でワーキングマザーが多く、産休・育休・時短勤務を取得する方の代わりに、独身者の負担が増えてゆき、国の制度として子供手当や教育無償化に対して不平等感を感じるということですね。児童手当・保育園無償化・高校無償化と子育て世帯向けの政策が増えてきました。質問者様の会社のように子育て世帯への優遇制度がある会社も増えています。一方で子供のいない世帯や独身者においては、会社からも独身手当などもありません。また、国からの特別な支援が無いというのも事実かもしれません。これらのように子育て世帯が優遇されることは、感情的に批判したくなる気持ちは分かりますが、独身者や子供の居ない世帯にも、関わってくる大きな問題があります。

税金を投入して子育て支援をすることに反発の声もありますが、今の現役世代が次世代を担う子供を増やさないといけない大きな理由があります。それは日本の年金制度は積み立て方式ではなく、賦課方式だからです。確定拠出年金や個人年金型保険は自分で貯めたものが自分で受け取れる仕組みになっています。しかし、日本の公的年金制度は現役世代が納めた年金で、その時の高齢者に支払う制度になっています。これは大きなメリットと大きなデメリットがあり、賛否両論あります。賦課方式のメリットとしては、年金を納めた時の経済状況が物価状況に左右されず、受給時の物価に応じて支給されるという点です。いわゆるインフレに強いということです。また、戦後の日本のように人口が増加過程であれば、1人1人の負担が少なく、手厚い年金を受け取ることができるのです。デメリットは少子高齢化に対応できない点です。年金を納める現役世代の人数が減り、受給する高齢者が増えたら、現役世代の負担は増え、受給額は減少してゆく状況になります。これがまさに現代の日本です。だからこそ、今の現役世代の年金を確保するためにも、出生数を増やしてゆかなければなりません。

賦課方式における世代別の年金負担

この先どうなってゆくでしょうか?

質問者様からは、子育て世帯が優遇されて、独身者の負担が増えてゆくことに懸念を持っておられますが、これからは改善傾向になってゆくのでしょうか?ズバリ、現時点では悪化の一途をたどっております。特にコロナ禍において少子高齢化は一気に進行してしまいました。結婚式を延期や中止するカップルが増えたことや、そもそも外出を控えたことによって、出会いの場が無くなりカップルが減少したことにより、婚姻数が大きく減少しました。また、医療機関の逼迫を懸念して妊娠・出産を躊躇ってしまうケースが増加し、出生数も大きく低下しました。実際の数字を見てしましょう。

婚姻件数は減少
婚姻件数は 52 万 5490 組で、前年の 59 万 9007 組より 7 万 3517 組減少し、婚姻率(人口千対)は 4.3 で、前年の 4.8 より低下している。

出生数は減少
出生数は 84 万 832 人で、前年の 86 万 5239 人より 2 万 4407 人減少し、出生率(人口千対)は 6.8 で、前年の 7.0 より低下している。
出生数を母の年齢(5歳階級)別にみると、45 歳以上で前年より増加し、44 歳以下の各階級では減少している。また、合計特殊出生率 は 1.34 で、前年の 1.36 より低下している。


引用 厚生労働省 令和2年(2020) 人口動態統計月報年計(概数)の概況

このような傾向が数年続くと、長期的に危険な状況になってしまいます。コロナ禍が過ぎ去った後には一時的なリバウンドで増えることはあるでしょうが、出産可能な女性の人口が毎年減少してゆくので、中長期で見ると増えるどころか、減少することが予想されます。これらの状況を見ても分かる通り、子育て世代優遇と言われるような政策を行っていても少子高齢化は改善されていないのです。これを大きく改善させるためには、より強力な政策を打ち出すしかないでしょう。子供を望む人が子供を産み、育てやすい環境を整備してゆかなければなりません。これには今まで以上に税金が投入される可能性があります。やはり不平等感は高まってしまうのでしょうか。

子育て世帯の方々には子育て世帯の悩みがあります。独身者の方には独身者の悩みがあります。時として子育て世帯vs独身者のような対決の構図になることがあるかと思いますが、本来は違うはずです。以前、女性社員の比率が高い化粧品大手の資生堂で、時短勤務者と独身者との間で待遇面での対立が表面化してしまいました。そこで、人事制度を改定して子育て社員の優遇を廃止し、できるだけ不平等感を無くす勤務体系に変更したということがあります。これは今後の会社における人事制度や国の政策にも当てはまることです。非常に難しい判断になると思われますが、子育て世帯への時間的・金銭的な配慮と独身者の負担軽減のバランスを取ることが求められます。

最後に

今回の質問者様から頂いた子育て世帯優遇について、根本的な問題点が2点あります。それは、教育費の高騰です。幼稚園から大学まで全て公立に通ったとしても1人あたり1,000万円かかります。国公立に進学するために塾通いをしなければならない事情もあります。私立に通った場合には2,000万円以上かかってしまうのです。その為、国から幼稚園や高校を無償化しても子育て世帯の家計は、決して楽にはならない。そして子供2人目、3人目を躊躇う家庭が多いということです。
もう1つの問題点は年金制度です。もう既に老齢年金の賦課方式は限界にきています。本来は老後を安心して暮らしてゆくための柱となるものですが、老後2,000万円問題などの老後不安が増幅しているのが現状です。今のまま賦課方式を続けても誰も喜べない制度になりつつあります。例えば障害年金と遺族年金は賦課方式、老齢年金は積み立て方式に変更して、現役世代の負担感を減らさないと根本的な解決には至らないでしょう。いずれにしても国民議論を経て大改革をしないと、まともな年金制度は維持できないと思われます。
末筆になりますが、質問者様のご活躍を陰ながら応援しております。

参考記事 42才 独身女性ですが、低収入で人生設計できません。どうすればいいですか?

(留意事項)
本ブログをご参考にして頂ければ嬉しいですが、くれぐれも最終的な判断は自己責任にてお願いします。

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