年収1,000万円の手取りが衝撃的です!どうすればいいでしょうか?

税金について教えて!

まねっぴに質問

私は43歳男性、会社員で妻と小学生の子供が2人います。昨年までは年収700万円(月45万、年間ボーナス160万)でした。妻は正社員ではなくパート勤務をしています。私の仕事はリモートワーク関連のシステムを販売する会社なので、コロナ禍なのですがありがたいことに営業成績が好調で、通常のボーナスとは別に年間約300万円のインセンティブを貰うことができました。年収は1,000万円に乗ることになったので、プチ富裕層の気分で少しは贅沢できると思っていたのですが、給与明細の控除額の欄がドンドン膨らみ手取りで見ると(実際は増えてしますが)増えた気がしません。今年もおかげ様で業績好調なのですが、残業や休日出勤が増えているので、その結果が増税だと「なんだかなぁ」という気分になります。贅沢な悩みだと怒られるかもしれませんが本音です。現実的に考えて、この好調な業績が続くとも限りませんので、無駄遣いをせずに貯蓄しようと思いました。年収1,000万円ある方々はみんなこのような感じなのですか?

まねっぴの回答

ご質問を拝見しました。
サラリーマンのひとつの目標が「年収1,000万円」ですよね。国税庁発表の民間給与実態統計調査によれば年収1,000万円以上稼いでいる人は全体の上位5%に入ることになります。税率が高くなり、少々ご不満もあるかと思いますが、高所得者であることには代わりはありません。質問者様も残業や休日出勤をしながら、業績を残して評価された結果なので、本当に素晴らしいと思います。では、実際に税率がどうなのか?控除額はいくらなのかを見てゆきたいと思います。

年収所得税住民税社会保険手取り額手取り額割合
年収200万円263116180.5%
年収300万円5114723779.0%
年収400万円8176231378.3%
年収500万円13247538877.6%
年収600万円20309145976.5%
年収700万円303710852575.0%
年収800万円474511759173.9%
年収900万円655412365873.1%
年収1000万円846312872572.5%
年収1500万円2121101611,01767.8%
年収2000万円3771591711,29364.7%
年収3000万円7882631741,77559.2%
年収別の所得税・住民税・社会保険料・手取り金額(単位:万円)

結論を申し上げます。サラリーマンの憧れの年収1,000万円の手取りは700万円です。驚かれるかもしれませんが、とても現実的な金額になりますよね。年収200万円の場合は、額面給与の8割を手取りとして、受け取ることができます。しかしながら年収1,000万円になると約7割になってしまいます。年収3,000万円の場合は6割です。よく所得税が増えると誤解されていますが、年収1,000万円までは社会保険料の控除割合が高いのです。ただ、年収1,000万円を超えたところで社会保険料の上限に達すると所得税の割合が高くなってゆきます。プロスポーツ選手で1億円プレーヤーと言っても約半分は控除となり、手取りは半額というのは有名な話です。庶民からすると半分でも5,000万円だからいいよね。と思うかもしれませんが、高所得者には高所得者なりの悩みがあるものです。

知り合いの通信会社の部長さんは年収1,000万円前後ですが、「年収1,000万円って言うけど、実質的には年収700万円とそんなに大差が無い。役員からの重圧や部下の管理の大変になるし、社内外の付き合いが増えて出費も増えた。課長で年収700万円の方が絶対に良い」とおっしゃっていました。最初は謙遜かなと思ってしましたが、割と本気なようでした。なぜこの部長さんが年収700万円と変わらないと思っているのか。それは、高所得になると税金の他にもデメリットがあるからです。その例が児童手当の対象外と高校無償化の対象外です。

児童手当の対象外

児童手当とは、中学校修了まで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の児童1人につき月額1万5千円または1万円を支給します。ただし、所得制限限度額以上の人には特例給付として児童1人につき月額5千円を支給される制度です。

支給対象児童1人あたり月額
0歳~3歳未満15,000円(一律)
3歳~小学校修了前10,000円(第3子以降は15,000円※)
中学生10,000円(一律)
年齢別の児童手当支給額

※ 「第3子以降」とは、高校卒業まで(18歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の養育しているお子さんのうち、3番目以降をいいます。

扶養親族等の数所得額
(単位:万円)
収入額目安
(単位:万円)
0人(前年末に児童が生まれていない場合 等)622833.3
1人(児童1人の場合 等)660875.6
2人(児童1人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)698917.8
3人(児童2人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)736960
4人(児童3人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)7741002
5人(児童4人 + 年収103万円以下の配偶者の場合 等)8121040
手当を受け取る人の扶養親族等の数に応じて所得制限限度額

出典 内閣府 児童手当Q&A

高校生の授業料減免制度

高等学校等就学支援金制度とは、授業料に充てるための就学支援金を支給することにより、高等学校等における教育に係る経済的負担の軽減を図り、もって教育の実質的な機会均等に寄与することを目的としています。国公私立問わず、高等学校等に通う所得等要件を満たす世帯(※年収約910万円未満の世帯)の生徒に対して、 授業料に充てるため、国において高等学校等就学支援金を支給します。

出典 文部科学省 高等学校等就学支援金制度

高所得者になると対象外となるのが、児童手当と高校無償化の2点です。質問者様には小学生のお子様が2人いらっしゃるようですので、10,000万円×12ヶ月×2人分の24万円が支給されなくなってしまいます。この先、同水準のままお子様が高校生になった場合は、無償化の対象外になってしまい、全てが実費となります。これらの他にも配偶者控除・配偶者特別控除の対象外になってしまいます。税額は増える一方で、国からの優遇は削減される一方です。これは高所得者といえども、厳しい現実です。日本において年収1,000万円というのは、意外にも庶民的な生活をされています。毎日、会社にお弁当を持参している。趣味はお金のかからないウォーキング。子供の教育費を稼ぐ為に、奥さんはパートで働く。タワーマンションに住み高級外車を所有して、奥様はブランド品を身に付けて毎日ランチ会というような、我々が憧れるようなセレブな生活ではありません。もう少し夢見たいですよね。

年収1,000万円のデメリット

どんな節税方法がありますか?

高所得者の方々も、やっぱりなるべく税金を少なくしたいというのは、本音だと思います。税金を下げる方法は無いものか気になりますよね?高所得者の方々がどのような節税をしているか見てみましょう。

iDeCo
個人型の確定拠出年金であるiDeCoを利用した場合のメリットとして、運用益が非課税になるということは、よく知られています。しかし、iDeCoはこの他にも掛金は所得税と住民税を計算する際に所得控除(小規模企業共済等掛金控除)として差し引くことができ、所得税と住民税の節税メリットがあります。企業型の確定拠出年金が無い場合は、月額2.3万円(年間27.6万円)まで掛けることができます。

(例)年収1,000万円の会社員(企業型確定拠出年金無し)が、毎月2.3万円掛けた場合の節税額は?
 →所得税と住民税を合算で年間82,000円の節税になります。
 
※課税所得はご年収から必要経費や保険料等の各種控除を差し引いた金額であり、個人によってその額は大きく異なります。あくまで一例としてご参考ください。 

企業型の確定拠出年金の制度がある場合でも、会社が拠出する掛金に加えて、加入者本人が掛金を上乗せして拠出することができます。このしくみを「マッチング拠出」といいますが、月5.5万円(年間66万円)まで拠出することが可能です。加入者が拠出する掛金は全額が所得控除の対象になるため、iDeCoと同様に節税効果に繋がります。

ふるさと納税
なぜふるさと納税が節税対策として利用されるのかをご説明します。ふるさと納税として寄付した場合に、寄付した金額から自己負担額2,000円を引いたのち、所定の税率を掛けた金額が控除されます。控除対象となるのは、所得税・住民税の2種類です。
所得税からの控除 = (ふるさと納税額-2,000円)×「所得税の税率」
住民税からの控除(基本分) = (ふるさと納税額-2,000円)×10%

(例)年収1,000万円、専業主婦の妻・16才未満の子供2人いる世帯で10万円のふるさと納税をした場合の控除額は?
→所得税+住民税から98,000円が控除対象となります。(2,000円は自己負担額)

※上記は目安の金額となります。詳細は市区町村によって異なります。 

また、ふるさと納税が利用される理由としては、寄付する自治体の特産品を返礼品として受け取ることができます。農業のさかんな地域であれば米・野菜・果物、漁業のさかんな地域であれば海鮮品などがあります。ひと昔前に問題になりましたが、泉佐野市などは、返礼品を豪華にして多額の寄付金を集めた自治体もあります。これなら、楽しみながら節税に繋がるかもしれませんね。

ふるさと納税は幅広い層に多く利用されています。とりわけ高所得者層の利用頻度は高く、年収1,000万円の方であれば約15万円、年収2,000円の方であれば約50万円利用されているという統計もあります。高所得者になるということは、このように税金のコントロールも考えてゆかなければならないということです。税金で悩むということは高所得者層の入り口に立ったということなのです。

出典 総務省 ふるさと納税のしくみ

最後に

今回の質問者様のケースでは、年収1,000万円になった喜びよりも、不満の方が大きかったかと思います。日本の税制度、社会福祉制度の中では幸福感を感じるラインが年収600万円から650万円と言われております。夫婦共働きであったり、節約は必要ですが、適度に余裕があり貯蓄もできて、国からの優遇を受けられるラインですね。一般的な企業でいえば係長から課長級というところでしょうか。何とも夢の無い国になってしまったなとは思いますが、これが今の日本の現状なのです。今の若者(新卒者)に聞いても、自分の時間を大切にしたいという方が多く、ガンガン稼いでお金持ちになりたいという方はごく少数です。若者のモチベーションが下がるというのも、こういう夢の無い制度が絡んでいるのではないでしょうか。

国の方針としては、低所得者への支援を強める一方で、高所得者の様々な手当や補助を削減する方向で動いています。低所得者支援というのは大変良いことだと思うのですが、高所得者からの不満や不平等感があることは否めません。本来は大量消費者であるはずの高所得者が、将来に不安を抱き質問者様のように貯蓄に流れてしまうと、消費そのものが低迷してしまいます。また、能力や技術のある高所得者層が日本に愛想を尽かして海外へ出て行ってしまうというのが懸念されます。そもそも低所得者が増えている背景はなぜなのか。社会保障のあり方を国として考え直すタイミングであると個人的には思います。末筆ながら質問者様の今後の活躍を、陰ながら応援しております。

参考 36才で預金が3,000万円あります。セミリタイア可能でしょうか?

(留意事項)
本ブログをご参考にして頂ければ嬉しいですが、くれぐれも最終的な判断は自己責任にてお願いします。

タイトルとURLをコピーしました