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新卒1年目の手取りはいくら?月給別に生活費の目安も紹介

自分の給料が、ほかの新卒と比べて高いのか、安いのか。
「比べるものではない」と分かっていても、やはり気になりますよね。

特に新卒1年目は、額面給与と手取りの差が分かりにくく、「月給24万円と聞いていたのに、実際に振り込まれる金額は思ったより少ない」と感じる人も少なくありません。

この記事では、厚生労働省の賃金データをもとに、新卒1年目の平均的な給与水準を確認しながら、月給別の手取り目安を紹介します。あわせて、東京・大阪・福岡・仙台・北海道の5地域で、一人暮らしをした場合の生活費の目安も整理します。

※本記事の手取り額・生活費は概算です。実際の金額は勤務先、加入する健康保険、扶養状況、通勤手当、残業代、自治体、住居条件などにより変わります。

新卒の平均月給はいくら?

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、新規学卒者の賃金は、男女計で高校卒19万7,500円、専門学校卒22万2,800円、高専・短大卒22万3,900円、大学卒24万8,300円、大学院卒28万7,400円となっています。

つまり、大卒新卒の平均的な月給は約24.8万円です。
近年は人手不足や初任給引き上げの流れもあり、新卒1年目でも「月給25万円前後」が一つの目安になりつつあります。

ただし、これは全国平均です。実際には、都道府県、業種、企業規模によって初任給には差があります。e-Statでは、厚生労働省の賃金構造基本統計調査として「都道府県、新規学卒者の学歴別所定内給与額」の統計表が公開されています。

新卒1年目の手取りは額面の約8割前後

新卒1年目の手取りは、ざっくり言えば「額面給与の80〜85%前後」が目安です。

給与からは主に、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、所得税が差し引かれます。厚生年金保険料は標準報酬月額などに保険料率をかけて計算され、事業主と被保険者が半分ずつ負担します。保険料率は18.3%で固定されています。

また、協会けんぽの健康保険料率は都道府県支部ごとに異なります。2026年度は、たとえば東京都9.85%、大阪府10.13%、宮城県10.10%、福岡県10.11%、北海道10.28%などとなっています。

雇用保険料については、令和8年度の一般の事業では労働者負担が5/1,000となっています。

なお、新卒1年目で見落としやすいのが住民税です。住民税は前年の所得をもとに計算されるため、学生時代に大きな所得がなければ、入社1年目は給与から住民税が引かれないケースが一般的です。そのため、2年目の6月以降に手取りが下がったように感じることがあります。

月給別の手取り目安

以下は、20代・扶養なし・会社員・協会けんぽ加入・住民税なしの新卒1年目を想定した概算です。地域差や会社の制度によって変わるため、あくまで目安として見てください。

額面月給手取り目安コメント
20万円約16.9万円高卒・専門卒の初任給に近い水準
22万円約18.6万円地方勤務や中小企業でも多い水準
24万円約20.2万円大卒平均に近い水準
24.8万円約20.9万円大卒全国平均に近い水準
25万円約21.0万円新卒でも比較的標準〜やや高め
26万円約21.9万円都市部や大手企業で見られる水準
28万円約23.5万円初任給としては高め
30万円約25.2万円新卒1年目ではかなり高め

月給25万円でも、手取りは25万円ではありません。社会保険料と所得税が引かれるため、実際に使えるお金は約21万円前後になります。

さらに2年目以降は住民税が差し引かれます。月給25万円の場合、住民税が始まると手取りは月1万円前後下がる可能性があります。1年目の手取りを基準に家賃や固定費を決めすぎると、2年目に家計が苦しくなる点には注意が必要です。

額面給与で比べるより「残るお金」で見ることが大切

新卒給与を比べるときは、額面月給だけを見ると判断を誤ることがあります。

たとえば、東京で月給26万円、大阪で月給24万円、福岡で月給23万円という条件があった場合、額面だけなら東京が最も高く見えます。しかし、家賃や生活費まで含めると、実際に残るお金はそれほど変わらない、あるいは地方都市のほうが余裕があるというケースもあります。

特に一人暮らしでは、家賃が家計に与える影響が大きくなります。毎月の給与が1万円高くても、家賃が2万円高ければ、自由に使えるお金はむしろ少なくなります。

一人暮らしの生活費は地域でどれくらい変わる?

ここでは、東京・大阪・福岡・仙台・北海道の5地域で、同じくらいの間取りのワンルーム・1Kに住む場合を想定し、生活費の目安を整理します。

総務省の小売物価統計調査は、国民の消費生活上重要な財・サービスの料金や家賃を調査しており、地域別の物価を見る際の基礎資料として利用されています。

また、2024年の消費者物価地域差指数では、全国平均を100とした場合、東京都の総合指数が104.0と最も高く、北海道も101.9と高めの水準です。家賃を除く総合では北海道が103.0で高く、寒冷地では光熱費などの負担も意識したいところです。

地域別・一人暮らし生活費の目安

地域家賃目安食費水道光熱費通信費その他合計目安
東京7.5万円4.0万円1.4万円0.8万円4.0万円約17.7万円
大阪5.8万円3.8万円1.3万円0.8万円3.8万円約15.5万円
福岡5.2万円3.6万円1.3万円0.8万円3.5万円約14.4万円
仙台5.0万円3.6万円1.5万円0.8万円3.4万円約14.3万円
北海道4.8万円3.7万円1.8万円0.8万円3.5万円約14.6万円

※その他には日用品・交際費等を含めています。
※東京の家賃は東京郊外又は近隣県を想定しています。
※北海道は札幌を想定しています。

東京は家賃負担が大きく、手取り20万円台前半では余裕が出にくい地域です。
大阪や福岡、仙台は東京より家賃を抑えやすい傾向がありますが、駅近や築浅物件を選ぶと負担は大きくなります。

北海道や仙台は家賃が比較的抑えやすい一方で、冬場の暖房費が上がりやすい点に注意が必要です。家賃だけで見ると安く見えても、年間を通じた光熱費まで含めて考えることが大切です。

月給24万円で一人暮らしはできる?

月給24万円の場合、手取りは約20.2万円が目安です。

東京で一人暮らしをすると、生活費目安は約17.7万円です。単純計算では毎月2万円台の余裕が出ますが、ここから美容院代、医療費、冠婚葬祭、帰省費、家電の買い替え、資格勉強代などが発生します。貯金まで考えると、東京で手取り20万円前後の一人暮らしはかなり堅実な管理が必要です。

一方、大阪・福岡・仙台・札幌では、生活費目安が14万円台〜15万円台となるため、東京よりは貯金に回しやすい可能性があります。ただし、車が必要な地域に住む場合は、駐車場代、ガソリン代、自動車保険、車検費用が加わるため、都市部より負担が重くなることもあります。

家賃は手取りの3割以内が目安

新卒1年目が一人暮らしをする場合、家賃はできれば手取りの3割以内に抑えたいところです。

手取り20万円なら、家賃は6万円以内が一つの目安です。
手取り21万円なら、家賃は6.3万円以内。
手取り23万円なら、家賃は6.9万円以内です。

もちろん、東京23区内ではこの水準で物件を探すのが難しい場合もあります。その場合は、駅から少し離れる、築年数を広げる、都心へのアクセスを少し妥協する、会社の住宅手当を確認するなど、固定費を下げる工夫が必要です。

実家暮らしと一人暮らしでは貯金力が大きく変わる

新卒1年目は、実家暮らしか一人暮らしかで貯金できる金額が大きく変わります。

たとえば手取り21万円の場合、一人暮らしで生活費が15万円かかれば、残りは6万円です。そこから交際費や臨時支出を差し引くと、毎月の貯金は2万〜4万円程度になるかもしれません。

一方、実家暮らしで家に3万〜5万円を入れる形であれば、同じ手取りでも毎月8万〜10万円以上を貯金できる可能性があります。新卒1年目から無理に一人暮らしを始めるより、最初の1〜2年は実家で生活防衛資金を作るという選択も現実的です。

新卒1年目に作っておきたい生活防衛資金

新卒1年目は、まず生活費3か月分を目標に貯金を作るのがおすすめです。

一人暮らしで毎月15万円かかるなら、45万円。
東京で毎月18万円かかるなら、54万円。
このくらいの現金があると、急な退職、病気、引っ越し、家電の故障などにも対応しやすくなります。

投資を始めることも大切ですが、貯金がほとんどない状態で投資に回しすぎると、急な出費の際に資産を取り崩すことになります。まずは生活防衛資金、その後に新NISAなどの資産形成を考える順番が安心です。

新卒1年目の給与は「高い・安い」だけで判断しない

新卒1年目の給与を見るときは、月給だけでなく、次の点も確認しましょう。

  • 賞与はあるか
  • 住宅手当はあるか
  • 残業代は別途支給か、固定残業代込みか
  • 昇給ペースはどうか
  • 勤務地の生活費は高いか
  • 転勤や引っ越しの可能性はあるか
  • 2年目以降の住民税を考えても生活できるか

初任給が高くても、固定残業代込みで実質的な労働時間が長い場合もあります。反対に、初任給が平均的でも、住宅手当や賞与、福利厚生が手厚ければ、実際の生活には余裕が出ることもあります。

大切なのは、額面給与ではなく「手取りから生活費を引いたあと、いくら残るか」です。

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まとめ

新卒1年目の大卒平均月給は、厚生労働省の令和6年賃金構造基本統計調査では24万8,300円です。手取りにすると、住民税がまだ引かれにくい1年目で約20万〜21万円前後が目安になります。

月給25万円でも、実際に振り込まれる金額は約21万円前後です。さらに2年目以降は住民税が始まり、手取りが下がる可能性があります。

一人暮らしをする場合、東京では家賃負担が重く、手取り20万円前後だと余裕は大きくありません。大阪・福岡・仙台・札幌では東京より家賃を抑えやすい一方、地域によっては光熱費や車関連費用がかかる点に注意が必要です。

最近では、大手企業を中心に「初任給30万円」「初任給40万円」といった見栄えの良い金額を打ち出し、新入社員を確保しようとする動きも見られます。もちろん、初任給が高いに越したことはありません。しかし、就職先を選ぶ際は、初任給の金額だけで判断するのではなく、その後の昇給ペース、賞与の計算方法、住宅手当などの福利厚生、転勤や海外赴任の有無、固定残業代の扱いなど、細かい条件まで事前に確認しておくことが大切です。

給料は人と比べたくなるものですが、本当に大切なのは「自分の生活で無理なく続けられるか」です。新卒1年目は、背伸びした生活よりも、固定費を抑えて生活防衛資金を作ることを優先すると、2年目以降の家計が安定しやすくなります。

そして、新卒の皆さんやこれから社会人になる皆さんに伝えたいのは、少しファイナンシャルプランナーらしくないことかもしれませんが、仕事は短期的なお金だけで決めるものではないということです。やりがいを感じられる仕事か、自分に向いている仕事か、長く続けられる環境かどうか。初任給や手取り額だけにとらわれず、将来の働き方や自分らしい生活まで含めて、総合的によく考えて選んでほしいと思います。

参考・出典

厚生労働省 「令和6年賃金構造基本統計調査」
総務省統計局 「小売物価統計調査」
総務省統計局 「消費者物価地域差指数」
国税庁 「令和8年分 源泉徴収税額表」
日本年金機構 「厚生年金保険の保険料」
全国健康保険協会 「令和8年度都道府県単位保険料率」
厚生労働省 「令和8年度 雇用保険料率のご案内」

本記事は、官公庁・公的機関の情報等をもとに、一般的な情報提供を目的として作成したものです。記事内の新卒給与、手取り額、生活費、家賃、税金、社会保険料等はあくまで目安であり、実際の金額は勤務先、居住地域、雇用形態、扶養状況、各種手当、加入する健康保険などによって異なります。正確な金額や制度内容については、勤務先や各公的機関の最新情報をご確認ください。本記事は、特定の企業や就職先、一人暮らし等を推奨するものではなく、最終的な判断はご自身の状況に応じて行ってください。

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