自動車保険は今、「事故を起こさなければ更新するたびに保険料が下がる」と単純には言い切れない時代に入りつつあります。
損害保険料率算出機構は2026年6月、自動車保険の参考純率を平均14.4%引き上げる届出を行いました。これは2027年1月以降に保険始期を迎える契約を想定した参考値で、各保険会社の保険料が一律14.4%上がるという意味ではありません。ただ、物価上昇、高性能部品の普及による部品価格の上昇、工賃の値上がり、修理期間の長期化に伴う代車費用などが保険金単価を押し上げていることは明確です。
さらに自然災害による車両被害も無視できません。日本損害保険協会によると、2025年8月6日から12日にかけての大雨では、車両保険の事故受付件数が1万9,851件、支払保険金は見込みを含め約264.7億円に達しました。東京海上日動も2025年10月・2026年1月の自動車保険改定について、物価上昇や大規模自然災害の多発などを背景に、多くの契約で保険料を引き上げたと説明しています。
そのため2026年8月現在、自動車保険選びで大切なのは「最も安い会社を探すこと」だけではありません。補償内容、事故対応、ロードサービス、保険料、ネット手続きのしやすさまで含めて比較することが重要です。
今回は2026年8月時点の各社公式情報をもとに、保険料の合理性、補償内容、事故対応、ロードサービス、独自サービス、契約のしやすさを総合的に比較し、自動車保険おすすめ10選を10位からカウントダウン形式で紹介します。
※実際の保険料は年齢、車種、型式別料率クラス、等級、走行距離、使用目的、居住地域、補償内容などによって大きく変わります。ランキングは特定の保険会社への加入を推奨するものではなく、商品選びの参考として独自に評価したものです。
【2026年8月版】自動車保険おすすめ10選
第10位 三井住友海上「GK クルマの保険」
第10位は、三井住友海上の「GK クルマの保険」です。
ネットだけで契約を完結させるダイレクト型とは異なり、代理店によるサポートを受けながら補償内容を決められるのが大きな特徴です。「どこまで車両保険を付ければいいのか」「家族が運転する場合はどう設定するのか」といった細かな部分まで相談しながら決めたい人に向いています。
事故対応では専任チームと代理店が連携してサポート。ロードサービスも充実しており、おクルマQQ隊を利用した場合は、指定するディーラーや整備工場まで距離無制限でレッカーけん引するサービスなどが用意されています。契約条件による違いはありますが、保険料だけでなく対面で相談できる安心感を重視する人には有力候補です。
向いている人:保険料の安さだけでなく、代理店の対面サポートや事故時の安心感を重視したい人
第9位 損保ジャパン「THE クルマの保険」
第9位は、損保ジャパンの「THE クルマの保険」です。
代理店型自動車保険として、事故発生直後からのサポートを重視している点が特徴です。事故受付だけではなく初動対応も24時間365日行っており、事故相手や修理工場、病院などへの連絡をサポートする体制が整えられています。
2026年時点ではLINEを使った事故対応も強化されており、事故受付から担当者とのやり取り、進捗確認、保険金の支払状況までスマートフォンで確認できます。さらに、対応するドライブレコーダーサービスではALSOKのガードマンが事故現場に駆け付ける仕組みも用意されています。保険会社とのやり取りに不安を感じやすい人にとって心強いサービスです。
向いている人:事故発生後のサポートや代理店とのつながりを重視したい人
第8位 あいおいニッセイ同和損保「タフ・クルマの保険」
第8位は、あいおいニッセイ同和損保の「タフ・クルマの保険」です。
相手への賠償、自分や同乗者への補償、車両への補償に加えて、事故や故障時のサポートまで幅広く備えられる代理店型の商品です。事故時には24時間365日のサポートを受けることができ、レッカーけん引や応急作業などにも対応しています。
注目したいのがテレマティクス自動車保険です。走行データなどを利用して安全運転を支援するタイプの商品も選ぶことができます。損害保険料率算出機構も2026年6月の改定で、安全運転特性を保険料に反映する新たな料率区分を設けており、今後の自動車保険では「どのように運転しているか」がさらに重要になる可能性があります。
向いている人:代理店型の安心感に加えて、安全運転支援やテレマティクスにも関心がある人
第7位 東京海上日動「トータルアシスト自動車保険」
第7位は、東京海上日動の「トータルアシスト自動車保険」です。
大きな魅力は、代理店を中心として損害サービススタッフ、損害確認の専門家、弁護士などが連携する事故対応体制です。自動車保険は普段使わない商品だからこそ、事故が起きた瞬間に「誰に相談すればいいのか」が明確であることには大きな価値があります。
通信機能付きドライブレコーダーを利用する「ドライブエージェント パーソナル」も用意されており、事故時の自動連絡や映像送信などを利用できます。ネット型より保険料が高くなるケースは考えられますが、補償内容について相談しながら契約したい人や、事故時のサポートを最優先したい人には検討価値があります。
向いている人:保険料よりも代理店・事故対応・専門家によるサポートを重視したい人
第6位 アクサ損害保険「アクサのダイレクト自動車保険」
第6位は、アクサ損害保険の「アクサのダイレクト自動車保険」です。
ダイレクト型ならではの合理的な保険料と、事故対応・ロードサービスのバランスが特徴です。事故・故障は24時間365日受け付けており、事故現場ではスタッフが電話を代わって相手方と話すサービスも用意されています。
ロードサービスについても、全国のサービス拠点からスタッフが駆け付ける体制を整えています。車両保険の有無などにかかわらず一定条件のもとでロードサービスが付帯するため、「ネット型にしたいが、事故や故障時のサービスまで削りたくない」という人にとって比較しやすい商品でしょう。
向いている人:保険料を抑えながら、事故対応やロードサービスも重視したい人
第5位 チューリッヒ「スーパー自動車保険」
第5位は、チューリッヒの「スーパー自動車保険」です。
ダイレクト型自動車保険の中でも、ロードサービスに力を入れている商品です。公式サイトでは、事故対応、指定修理工場、ロードサービス、カスタマーケアセンターなどを主要な特徴として紹介しています。ロードサービスはすべての契約者に付帯すると案内されており、遠出や高速道路を利用する機会が多い人には安心材料になります。
自動車保険は事故だけでなく、バッテリー上がりやパンクなど思わぬトラブルで利用することがあります。年間走行距離が長い人や旅行・レジャーで車を頻繁に使う家庭では、保険料だけでなくロードサービスの内容まで比較しておきたいところです。
向いている人:長距離ドライブが多く、ロードサービスを重視したい人
第4位 三井ダイレクト損保「強くてやさしいクルマの保険」
第4位は、三井ダイレクト損保の「強くてやさしいクルマの保険」です。
ネット型の弱点としてよく挙げられるのが、「補償を自分で決めるのが難しい」という点です。三井ダイレクト損保は、こうした不安を埋めるために「あなたのコンシェルジュ」という仕組みを用意しています。希望すれば一度対応したコンシェルジュをその後も担当として相談できるため、ネット型でありながら人によるサポートを受けやすいのが特徴です。
同社の公式サイトでも、ネット型は中間コストを抑えやすい一方、自分で補償内容を組み立てる必要があると説明しています。保険料を抑えたいものの、完全に自分一人で契約内容を決めることには不安がある人に適した選択肢です。
向いている人:ネット型の保険料と、人に相談できる安心感の両方を求める人
第3位 東京海上ダイレクト「&e」
第3位は、東京海上ダイレクトの自動車保険「&e」です。
東京海上グループの事故対応やサービスを背景に持ちながら、ネット型ならではの合理的な保険料を目指している点が大きな魅力です。保険料は過去1年間の走行距離をもとに算出する仕組みで、2026年8月時点では新規ネット申込みで1万2,000円の割引も案内されています。割引には所定の条件があります。
スマートフォンアプリを使った安全運転サポートも特徴的です。毎日の運転を振り返る仕組みがあり、「保険は事故が起きた後に使うもの」という従来の考え方から、事故そのものを減らす方向へサービスが広がっています。
向いている人:東京海上グループの安心感を求めながら、ネット型で保険料を抑えたい人
第2位 SBI損保「SBI損保の自動車保険」
第2位は、SBI損保の自動車保険です。
ダイレクト型の代表的な選択肢の一つで、合理的な保険料設定と各種割引を前面に打ち出しています。運転者の範囲、車両保険のタイプ、各種特約などを自分の状況に合わせて調整しやすく、「必要な補償は残しながら固定費を抑えたい」という人と相性の良い商品です。
事故対応に加えて指定修理工場やロードサービスも用意されており、単純に価格だけを追求した商品ではありません。自動車保険料が上昇する局面では、現在の補償条件を維持したまま一度見積もりを取り、代理店型や他のダイレクト型と比較してみる価値があります。
向いている人:補償内容をある程度自分で判断でき、保険料を重視して比較したい人
第1位 ソニー損保「ソニー損保の自動車保険」
2026年8月版の第1位は、ソニー損保です。
今回特に評価したのは、保険料、事故対応、ロードサービスのバランスです。事故受付は24時間365日。全国約1万か所のロードサービス拠点を持ち、保険料は予想年間走行距離に応じて算出する「走る分だけ」の仕組みを採用しています。年間走行距離がそれほど多くない人にとって、合理性を感じやすい料金体系です。
一方で、安さだけに特化しているわけではありません。事故解決サービスやロードサービス、対人・対物、人身傷害、車両保険、弁護士特約など、必要な補償を組み合わせられます。ネット型の保険料メリットを活かしながら、事故対応やロードサービスも妥協したくない人にとって、総合的に比較しやすい一社です。
向いている人:保険料・事故対応・ロードサービスのバランスを重視する人
最大20社をまとめて比較できるので、更新前の見直しにも便利です。
自動車保険おすすめ10選を一覧で比較
| 順位 | 保険会社・商品 | タイプ | おすすめする人 |
|---|---|---|---|
| 1位 | ソニー損保 | ネット型 | 総合力を重視 |
| 2位 | SBI損保 | ネット型 | 保険料を重視 |
| 3位 | 東京海上ダイレクト &e | ネット型 | 安心感と価格を両立 |
| 4位 | 三井ダイレクト損保 | ネット型 | ネット型初心者 |
| 5位 | チューリッヒ | ネット型 | 長距離運転が多い人 |
| 6位 | アクサ損害保険 | ネット型 | 価格とサポートを両立 |
| 7位 | 東京海上日動 | 代理店型 | 安心感を最優先 |
| 8位 | あいおいニッセイ同和損保 | 代理店型 | 安全運転を活かしたい人 |
| 9位 | 損保ジャパン | 代理店型 | 事故対応重視 |
| 10位 | 三井住友海上 | 代理店型 | 対面相談を重視 |
自動車保険の保険料は今後も上がる?
2026年8月時点では、自動車保険を取り巻くコスト環境は厳しくなっています。
以前は「1年間事故を起こさなかったので等級が上がり、更新時の保険料が安くなった」という経験を持つ人も多かったでしょう。現在もノンフリート等級制度そのものは存在するため、無事故を続けることには大きな意味があります。
しかし、今後は等級が上がったからといって、支払う保険料が必ず前年より安くなるとは限りません。保険会社全体の料率改定、車種ごとの型式別料率クラス、修理費、部品代、人件費などが上昇すれば、無事故による割引効果が相殺される可能性があります。
損害保険料率算出機構が2026年6月に平均14.4%の参考純率引き上げを届け出た背景にも、事故件数そのものだけではなく、1事故あたりの支払保険金の上昇があります。つまりこれからは「事故を起こさなければ自動車保険は毎年安くなる」という考え方から少し離れて、毎年更新時に内容と保険料を確認することが重要です。
自然災害の増加も自動車保険選びでは無視できない
台風、大雨、洪水、ひょう、大雪などによって自動車が被害を受けるケースも、自動車保険を考えるうえで重要になっています。
日本損害保険協会によると、2025年8月の大雨だけでも車両保険の事故受付件数は1万9,851件に達しました。こうした大規模な自然災害が繰り返されれば、保険会社の保険金支払いにも影響します。自然災害だけが保険料上昇の原因ではありませんが、修理費の上昇などと並んで保険収支を左右する要素の一つになっています。
また、任意の自動車保険では、車両保険を付けていれば台風や洪水などによる車両損害が補償される場合があります。ただし契約タイプによって対象外となることがあり、地震・噴火・津波による損害は原則として通常の車両保険では補償されません。自然災害が気になる地域では、車両保険の有無だけではなく「何が補償されるのか」まで確認しておきましょう。
ネット型と代理店型はどちらがおすすめ?
ネット型は保険料を抑えやすい
ネット型は保険会社と契約者がインターネットなどを通じて直接契約するため、代理店を介する販売コストを抑えやすいのが特徴です。三井ダイレクト損保も公式サイトで、中間コストを抑えられるため代理店型より保険料が安くなることが多いと説明しています。
一方で、補償内容や運転者の範囲などを自分で決める場面が多くなります。保険の仕組みをある程度理解していて、複数社の見積もりを自分で比較できる人にはネット型が向いています。
代理店型は相談しながら補償を決められる
代理店型の最大の魅力は、補償内容を相談しながら決められることです。家族構成、年間走行距離、車の使用目的、子どもが運転する可能性などを伝えながら契約内容を組み立てられるため、初めて自動車保険に加入する人にも向いています。
ネット型より保険料が高くなることはありますが、保険料の差を「相談料やサポート料を含めた安心へのコスト」と考えれば、代理店型を選ぶ価値も十分にあります。
2026年に自動車保険を選ぶ5つのポイント
1.保険料は必ず同じ補償条件で比較する
年間保険料だけを並べて「A社の方が安い」と判断するのは危険です。
対人・対物、人身傷害、車両保険、免責金額、弁護士特約、運転者限定などの条件が違えば、保険料も当然変わります。比較するときは同じ補償条件で見積もりを取り、そのうえで価格差を見ることが基本です。
2.対人・対物賠償は保険料を削りすぎない
自賠責保険だけでは、相手の車や店舗などへの物損、自分自身や同乗者の損害などを十分にカバーできません。
日本損害保険協会が紹介する過去の判決例では、人身事故で5億円を超える認定総損害額となった例や、物件事故で1億円を大きく超えた例もあります。保険料を節約するために、重大事故に備える補償まで削るのは避けたいところです。
3.車両保険は車の価値と自然災害リスクで考える
新車や高額車、ローン返済中の車では、車両保険の必要性が高くなります。一方、年式が古く車両価値が下がっている場合は、免責金額を設定したり補償範囲を見直したりすることで、保険料を調整できる場合があります。
近年は大雨や台風、ひょうなどによる車両被害もあるため、「事故を起こさないから車両保険はいらない」とは一概に言えません。
4.事故対応とロードサービスまで比較する
自動車保険は購入した瞬間ではなく、事故や故障が起きたときに価値が分かる商品です。
24時間365日という表記についても、「事故の受付が24時間」なのか、「初動対応まで24時間」なのかを確認したいところです。レッカー距離、バッテリー上がり、パンク、代車、宿泊費、帰宅費用なども保険会社によって異なります。
5.更新案内が届いたら前年の金額だけを見て継続しない
これから特に重要になるのが更新時の比較です。
無事故で等級が進んでいても、保険会社の料率改定や型式別料率クラスの変更などによって保険料が上昇する可能性があります。「事故を使っていないのになぜ値上がりしたのか」と感じたら、補償内容を削る前に複数社で同条件の見積もりを取ることをおすすめします。
数千円、数万円の差だけで判断するのではなく、補償とサービスを維持した場合にどこまで保険料が変わるのかを見ることが、2026年以降の自動車保険選びでは重要になってきます。
まとめ|保険料上昇時代だからこそ任意保険はしっかり選びたい
2026年は、自動車保険にとって大きな転換期になりつつあります。物価上昇に加え、自動車部品の高性能化、修理工賃の上昇、修理期間の長期化、自然災害による車両被害など、自動車保険の支払コストを押し上げる要因が重なっています。
以前であれば「事故を起こさず等級が上がれば、来年は少し安くなる」と考えることができました。しかし今後は、無事故を続けていても全体の料率改定などによって更新保険料が上がるケースが珍しくなくなる可能性があります。
だからこそ、更新時に補償を安易に削るのではなく、ネット型と代理店型を含めて複数の保険会社を比較することが大切です。保険料を重視するならソニー損保やSBI損保などのネット型、相談しながら決めたいなら東京海上日動、損保ジャパン、三井住友海上などの代理店型というように、自分が何を重視するかによって答えは変わります。
そして、自動車保険料が上昇傾向にあるからといって、任意保険そのものを外すことはおすすめできません。自賠責保険だけではカバーできない損害は多く、交通事故では一度の事故で非常に大きな賠償責任を負う可能性があります。
保険料を節約することは大切です。しかし、本当に必要な補償まで削ってしまっては意味がありません。
任意保険は法律上「任意」ですが、車を運転する以上、万が一に備えて必ず加入しておきましょう。保険料が上がる時代だからこそ、毎年きちんと比較し、自分に合った補償を適正な保険料で持つことが、これからの自動車保険選びではますます重要になっていきます。
出典・引用
損害保険料率算出機構の公式ページはこちら
日本損害保険協会の公式ページはこちら
国土交通省「自賠責保険・共済ポータルサイト」
国土交通省「自賠責保険・共済ってどんなもの?」
国土交通省「自賠責保険・共済に加入するには」
国土交通省「損害賠償を受けるときは?」
国土交通省「政府保障事業」
本記事は、2026年8月時点の各保険会社・官公庁の公式情報をもとに、自動車保険を独自に比較したものです。ランキングは保険料、補償内容、事故対応、ロードサービスなどを総合的に評価しており、特定の商品への加入を推奨するものではありません。実際の保険料は、年齢、等級、車種、走行距離、補償内容などによって異なります。また、保険料や補償内容、割引制度などは変更される場合があります。契約前には必ず各保険会社の公式サイトや重要事項説明書などで最新情報をご確認ください。