投資は本来、長期でじっくり取り組むのが基本です。とはいえ、やはり短期的に大きく上昇した銘柄は気になりますよね。特に1カ月で株価が大きく動いた銘柄を見ると、「なぜ上がったのか」「今からでも買えるのか」と考える方も多いと思います。
そこで今回は、2026年6月1日の始値から2026年6月30日の終値までの上昇率をもとに、2026年6月の株価上昇率ランキングTOP10をまとめました。
集計対象は、東証プライム・スタンダード・グロース市場に上場する国内普通株です。株価データは、東京証券取引所の株式相場表をもとに、6月1日の始値と6月30日の終値を比較しています。
2026年6月 株価上昇率ランキングTOP10
| 順位 | コード | 銘柄名 | 市場 | 6月1日始値 | 6月30日終値 | 上昇率 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1位 | 4265 | IGS | グロース | 235円 | 456円 | 94.04% |
| 2位 | 4179 | ジーネクスト | グロース | 324円 | 600円 | 85.19% |
| 3位 | 2393 | 日本ケアサプライ | スタンダード | 2,342円 | 4,295円 | 83.39% |
| 4位 | 2962 | テクニスコ | スタンダード | 1,111円 | 1,990円 | 79.12% |
| 5位 | 9256 | サクシード | グロース | 2,620円 | 4,635円 | 76.91% |
| 6位 | 6522 | アスタリスク | グロース | 783円 | 1,330円 | 69.86% |
| 7位 | 3086 | J.フロント リテイリング | プライム | 2,170円 | 3,617円 | 66.68% |
| 8位 | 6166 | 中村超硬 | グロース | 460円 | 766円 | 66.52% |
| 9位 | 7735 | SCREENホールディングス | プライム | 10,880円 | 17,805円 | 63.65% |
| 10位 | 7878 | 光・彩 | スタンダード | 899円 | 1,462円 | 62.63% |
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1位:IGS(4265)
IGSは、AIや教育、人的資本に関連するサービスを展開するグロース市場上場企業です。2026年6月は、235円から456円まで上昇し、上昇率は94.04%となりました。
1カ月で株価がほぼ2倍になっており、短期資金が大きく流入した銘柄といえます。グロース株は、将来の成長期待が株価に反映されやすい一方で、業績の変化や市場心理によって値動きが大きくなりやすい特徴があります。
2位:ジーネクスト(4179)
ジーネクストは、顧客対応や情報管理を支援するクラウドサービスを展開する企業です。2026年6月は324円から600円まで上昇し、上昇率は85.19%となりました。
同社のような小型グロース株は、出来高が増加すると株価が大きく動きやすくなります。上昇率だけを見ると魅力的に見えますが、流動性リスクや急落リスクも意識する必要があります。
3位:日本ケアサプライ(2393)
日本ケアサプライは、福祉用具レンタル卸や介護関連サービスを展開する企業です。2026年6月は2,342円から4,295円まで上昇し、上昇率は83.39%となりました。
介護・福祉分野は、高齢化社会の進展を背景に中長期的な需要が意識されやすいテーマです。株価上昇の背景を見る際は、単なるテーマ性だけでなく、売上高、営業利益、利益率、キャッシュフローなどを確認することが重要です。
4位:テクニスコ(2962)
テクニスコは、精密加工技術を強みとする製造業の企業です。2026年6月は1,111円から1,990円まで上昇し、上昇率は79.12%となりました。
製造業の中でも、半導体、電子部品、精密加工などに関連する銘柄は、受注動向や設備投資のニュースに反応しやすい傾向があります。短期的な株価上昇だけでなく、受注残、粗利率、研究開発費、設備投資計画なども確認したいところです。
5位:サクシード(9256)
サクシードは、教育・保育・福祉分野の人材サービスなどを展開する企業です。2026年6月は2,620円から4,635円まで上昇し、上昇率は76.91%となりました。
人材関連株は、採用需要や人手不足、教育・福祉分野の社会的ニーズを背景に注目されることがあります。ただし、人材サービス業は景気変動や人件費上昇の影響も受けるため、売上成長だけでなく利益率の推移も見ることが大切です。
6位:アスタリスク(6522)
アスタリスクは、モバイル認証、バーコードリーダー、IoT関連機器などを手がける企業です。2026年6月は783円から1,330円まで上昇し、上昇率は69.86%となりました。
IoTやDX関連の銘柄は、成長期待が高まりやすい一方で、業績の進捗や新製品の普及スピードによって評価が大きく変わります。短期急騰後は、期待先行で株価が上がりすぎていないかを確認する姿勢が必要です。
7位:J.フロント リテイリング(3086)
J.フロント リテイリングは、大丸松坂屋百貨店やパルコを展開する小売大手です。2026年6月は2,170円から3,617円まで上昇し、上昇率は66.68%となりました。
プライム市場の大型株がランキングに入っている点は注目されます。百貨店・商業施設関連は、個人消費、インバウンド需要、都市型商業施設の収益力などが株価材料になりやすい分野です。
8位:中村超硬(6166)
中村超硬は、精密加工や特殊素材関連の技術を持つ企業です。2026年6月は460円から766円まで上昇し、上昇率は66.52%となりました。
中小型の製造業銘柄は、技術力や新規事業への期待で大きく買われることがあります。ただし、テーマ株として急騰した場合、株価が実態価値より先に動くこともあります。業績改善が伴っているか、継続的な収益化が見込めるかを確認することが重要です。
9位:SCREENホールディングス(7735)
SCREENホールディングスは、半導体製造装置関連の代表的な企業です。2026年6月は10,880円から17,805円まで上昇し、上昇率は63.65%となりました。
半導体関連株は、AI、データセンター、生成AI、設備投資サイクルなどの影響を受けやすい分野です。大型株であっても、半導体市況の期待が高まると短期間で大きく上昇することがあります。
10位:光・彩(7878)
光・彩は、ジュエリーやジュエリーパーツの製造を手がける企業です。2026年6月は899円から1,462円まで上昇し、上昇率は62.63%となりました。
スタンダード市場の小型株は、材料や需給によって短期間で大きく動くことがあります。株価上昇の背景を見る際は、事業内容だけでなく、出来高の増加、浮動株比率、PER、PBRなども確認したいポイントです。
短期急騰株を見るときの注意点
今回のランキングを見ると、1カ月で60%以上上昇した銘柄が並んでいます。こうした銘柄を見ると、「自分も乗り遅れたくない」と感じるかもしれません。
しかし、FPの視点では、短期急騰株への投資は慎重に考えるべきです。
株価が短期間で大きく上がった銘柄は、すでに好材料が株価に織り込まれている可能性があります。さらに、上昇率が高い銘柄ほど、利益確定売りが出たときの下落幅も大きくなりやすいです。
特にグロース市場の銘柄は、時価総額が小さい企業も多く、少しの買い注文で株価が上がりやすい反面、売りが増えると下落も速くなります。これを「ボラティリティが高い」といいます。
長期投資では「値動き」より「資産形成の軸」が大切
金融庁も、資産形成では長期・積立・分散投資の考え方を紹介しています。長く投資を続けることで複利効果が期待でき、積立や分散によって高値づかみや集中投資のリスクを抑えやすくなります。
短期の値動きを見ること自体は悪いことではありません。市場のテーマを知るうえでも、上昇率ランキングは役立ちます。
ただし、短期ランキングをそのまま「買うべき銘柄リスト」と考えるのは危険です。大切なのは、自分の投資目的に合っているかどうかです。
老後資金、教育資金、住宅資金など、使う時期が決まっているお金は、短期急騰株に集中させるべきではありません。資産形成の中心は、分散された投資信託や安定した大型株、長期で保有できる資産を軸に考えるのが基本です。
どうしても値動きの激しい株に投資したい場合
それでも、「短期で動く銘柄に少しだけ投資してみたい」という方もいると思います。
その場合は、生活費や将来必要なお金ではなく、必ず余裕資金で割り切って投資することが大切です。
たとえば、資産全体のうち5%以内、あるいは失っても生活に影響しない金額に限定するなど、自分なりのルールを決めておきましょう。
また、買う前に次の点を確認しておくと安心です。
- なぜ株価が上がっているのか
- 出来高は増えているか
- 業績改善を伴っているか
- PERやPBRに過熱感はないか
- 売却する基準を決めているか
短期売買では、買う理由だけでなく、売る理由を決めておくことが重要です。利益が出たときに欲張りすぎないこと、損失が出たときに放置しないことも大切です。
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まとめ
2026年6月の株価上昇率ランキングでは、IGS、ジーネクスト、日本ケアサプライ、テクニスコ、サクシードなど、グロース市場やスタンダード市場の中小型株が上位に入りました。一方で、J.フロント リテイリングやSCREENホールディングスのようなプライム市場の銘柄もランクインしており、個別材料や市場テーマに資金が向かった月だったといえます。
投資は長期が基本です。短期的な値動きが気になるのは自然なことですが、ランキングに振り回されすぎると、本来の資産形成の目的を見失ってしまいます。
短期の値動きには惑わされず、どっしりと構えて運用することが大切です。どうしても値動きの激しい株価に投資したい場合は、生活資金ではなく、余裕資金の範囲で割り切って取り組みましょう。
出典・引用
東京証券取引所 「株式相場表(2026年6月1日、2026年6月30日)」
東京証券取引所 「上場会社情報」
金融庁 「NISAを知る・学ぶ」
本ランキングは、東京証券取引所公表の株式相場表をもとに、2026年6月1日の始値と6月30日の終値から筆者が手動で集計・算出したものです。集計には十分注意しておりますが、手作業による集計のため、誤記や計算誤差が含まれる可能性があります。投資判断を行う際は、最新の株価や企業公式情報をご確認ください。