はじめに|信用金庫・信用組合の定期預金が見直されている理由
2026年6月現在、定期預金の金利は一時期に比べて大きく上昇しています。特に注目したいのが、地域密着型の金融機関である信用金庫・信用組合の定期預金です。
メガバンクやネット銀行だけでなく、信用金庫・信用組合でも、1年もの定期預金に年1%前後、条件によっては年1%台前半の金利を提示する商品が出ています。普通預金に置いたままの資金や、当面使う予定のない生活防衛資金の一部を、比較的安全性を重視しながら運用したい人にとって、定期預金は改めて検討する価値があります。
ただし、信用金庫・信用組合の定期預金は、金利だけを見て選ぶと失敗することがあります。組合員限定、年金受取者限定、新規資金限定、インターネット支店限定、アプリ限定など、商品ごとに条件が細かく設定されているためです。
この記事では、2026年6月時点で確認できる信用金庫・信用組合の1年定期預金について、税引前金利の高い順にランキング形式で紹介します。ファイナンシャルプランナーの視点から、金利の見方、税引後利息、預金保険制度、中途解約時の注意点まで分かりやすく解説します。
ランキングの前提条件
今回のランキングは、以下の条件で作成しています。
対象は、信用金庫・信用組合が取り扱う1年もの定期預金です。金利は原則として税引前の年利で比較しています。組合員限定、アプリ限定、インターネット支店限定、年金受取者限定などの条件付き商品も含めています。
なお、キャンペーン定期預金は、募集総額に達した場合や金利環境が変化した場合、予定より早く終了したり、条件が変更されたりする可能性があります。実際に預け入れる前には、必ず各金融機関の公式ページで最新情報を確認してください。
信用金庫・信用組合の1年定期預金金利ランキングTOP10
| 順位 | 金融機関名 | 主な商品名 | 1年定期金利・税引前 | 主な条件 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | あすか信用組合 | スーパー定期「あすか」 | 年1.40% | 組合員金利。非組合員は年1.30% |
| 2位 | ミレ信用組合 | サマーボーナス定期預金 | 年1.30% | 組合員金利。非組合員は年1.20% |
| 2位 | 愛知県医師信用組合 | ウエルカム・プレゼント | 年1.30% | 新規組合加入・口座振替セット等の条件あり |
| 4位 | 横浜幸銀信用組合 | つばさ定期預金 | 年1.25% | 組合員金利。非組合員は年1.15% |
| 5位 | 豊田信用金庫 | 10周年記念定期預金 | 年1.20% | 50万円以上、募集総額あり |
| 6位 | しずおか焼津信用金庫 | プレミアム定期預金2026 | 年1.15% | しずしんインターネット支店限定 |
| 7位 | 大阪商工信用金庫 | 年金定期 | 年1.10% | 公的年金の受取者向け |
| 8位 | 京都信用金庫 | 特別金利定期預金等 | 年1.00% | 預入金額や取扱条件あり |
| 8位 | 大阪信用金庫 | アプリ定期預金「たまるんや」 | 年1.00% | 大阪信用金庫アプリ専用 |
| 8位 | 日新信用金庫 | 夏の特別定期預金「ナツトク2026」 | 年1.00% | 個人・新たな資金限定 |
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1位:あすか信用組合「スーパー定期『あすか』」
1位は、あすか信用組合の「スーパー定期『あすか』」です。1年ものの税引前金利は、組合員で年1.40%、非組合員で年1.30%となっています。今回確認した信用金庫・信用組合の1年定期預金のなかでは、非常に高い水準です。
年1.40%という金利は、100万円を1年間預けた場合、税引前で14,000円の利息に相当します。そこから所得税・復興特別所得税・住民税を合わせた20.315%が源泉徴収されるため、税引後の受取利息はおおよそ11,156円です。普通預金に置いたままにするよりも、利息をしっかり意識しやすい水準といえます。
ただし、最も高い金利は組合員向けです。信用組合の組合員になるには、営業地域、勤務先、居住地、事業内容などの条件や、出資金が必要になる場合があります。金利だけで判断せず、自分が対象者に該当するか、出資金や手続きにどのような条件があるかを確認することが大切です。
2位:ミレ信用組合「サマーボーナス定期預金」
2位は、ミレ信用組合の「サマーボーナス定期預金」です。1年ものの税引前金利は、組合員で年1.30%、非組合員で年1.20%です。ボーナス時期に合わせたキャンペーン型の商品として、比較的高い金利が設定されています。
年1.30%の場合、100万円を1年間預けると税引前利息は13,000円、税引後ではおおよそ10,359円です。1年定期としては魅力的な水準であり、元本を大きく変動させずに利息収入を得たい人に向いています。
一方で、キャンペーン定期は取扱期間や募集総額が設定されていることがあります。預け入れを検討する場合は、取扱期間内であるか、対象者に該当するか、満期後の自動継続時にどの金利が適用されるかを確認しましょう。初回だけ高金利で、満期後は通常金利になるケースも多いため、満期管理も重要です。
2位:愛知県医師信用組合「ウエルカム・プレゼント」
同率2位は、愛知県医師信用組合の「ウエルカム・プレゼント」です。1年ものの税引前金利は、条件を満たす場合で年1.30%です。新たに組合加入する人を対象とした定期預金キャンペーンで、口座振替セットコースなど、条件によって適用金利が変わる商品です。
この商品で注意したいのは、誰でも利用できる一般向け商品ではない点です。愛知県医師信用組合という名称のとおり、医師や医療関係者など、組合加入の対象が限定される可能性があります。そのため、ランキング上は高金利であっても、利用できる人は限られます。
ファイナンシャルプランナーの視点では、こうした「属性限定型」の高金利定期は、対象者にとっては非常に有利な選択肢になり得ます。すでに利用資格がある人や、今後取引を始める予定がある人は、普通預金のまま置いている資金を1年定期に振り替えるだけでも、利息収入を増やせる可能性があります。
4位:横浜幸銀信用組合「つばさ定期預金」
4位は、横浜幸銀信用組合の「つばさ定期預金」です。1年ものの税引前金利は、組合員で年1.25%、非組合員で年1.15%です。預入期間は1年で、一定額以上の預け入れを対象とする定期預金です。
年1.25%の場合、100万円を1年間預けると税引前利息は12,500円、税引後ではおおよそ9,961円です。年1%を超える水準であり、1年もの定期預金としては十分に高い部類に入ります。
横浜幸銀信用組合の商品は、組合員か非組合員かで金利差があります。このような商品では、単純に「最高金利」だけを見るのではなく、自分が実際に適用される金利を確認することが重要です。また、店頭での取扱いがない商品や、取扱チャネルが限定される商品もあるため、口座開設方法や預入手続きも確認しておきましょう。
5位:豊田信用金庫「とよしんインターネット支店 10周年記念定期預金」
5位は、豊田信用金庫の「とよしんインターネット支店 10周年記念定期預金」です。1年ものの税引前金利は年1.20%です。6カ月ものと1年ものが同じ年1.20%で設定されており、50万円以上の預け入れが対象です。
この商品は、とよしんインターネット支店の10周年を記念したキャンペーン定期預金です。インターネット支店の商品であるため、来店せずに手続きしやすい点が魅力です。信用金庫の定期預金というと、営業地域や店舗での手続きが気になる人もいますが、インターネット支店の商品は比較的利用しやすい場合があります。
年1.20%の場合、100万円を1年間預けると税引前利息は12,000円、税引後ではおおよそ9,562円です。注意点として、募集総額が設定されているキャンペーン商品であり、募集総額に達した場合には、取扱期間中であっても終了する可能性があります。検討する場合は、公式ページで最新の取扱状況を確認しましょう。
6位:しずおか焼津信用金庫「プレミアム定期預金2026」
6位は、しずおか焼津信用金庫の「しずしんインターネット支店 プレミアム定期預金2026」です。1年ものの税引前金利は年1.15%です。インターネット支店限定の特別金利型定期預金として、2026年の注目商品といえます。
年1.15%の場合、100万円を1年間預けると税引前利息は11,500円、税引後ではおおよそ9,163円です。年1%を上回る1年定期は、預金で安全性を重視しながらも、ある程度の利息を狙いたい人に向いています。
1年定期のメリットは、資金を長期間固定しすぎないことです。今後さらに預金金利が上昇した場合でも、1年後に満期を迎えれば、より高い金利の商品へ預け替えを検討できます。反対に、長期定期へ入れてしまうと、途中で金利が上がっても資金を動かしにくくなります。金利上昇局面では、1年定期を中心に満期を分散する考え方も有効です。
7位:大阪商工信用金庫「年金定期」
7位は、大阪商工信用金庫の「年金定期」です。1年ものの税引前金利は年1.10%です。公的年金を大阪商工信用金庫で受け取っている人などを対象とした商品で、年金受取者向けの優遇金利が設定されています。
年金定期は、退職後の資金管理と相性のよい商品です。年金生活では、生活費として使う資金、数年以内に使う予定の資金、長期運用に回す資金を分けて管理することが大切です。そのうち、数カ月から1年程度使う予定のない資金については、1年定期に預けることで、元本の安全性を重視しながら利息を得ることができます。
ただし、年金定期は対象者が限定されます。公的年金の受取口座指定や預入金額の条件があるため、誰でも同じ条件で利用できるわけではありません。年金受取先の変更を検討する場合も、金利だけでなく、ATMの利便性、窓口の使いやすさ、家族への共有のしやすさなども含めて判断しましょう。
8位:京都信用金庫「特別金利定期預金等」
8位は、京都信用金庫の特別金利定期預金等です。1年ものの税引前金利は年1.00%です。京都信用金庫では、預入金額や取扱条件に応じた特別金利の定期預金が設定されています。
年1.00%の場合、100万円を1年間預けると税引前利息は10,000円、税引後ではおおよそ7,969円です。以前の低金利時代と比べると、1年で約8,000円近い税引後利息が得られることは、家計管理の面でも無視できない水準です。
京都信用金庫のような地域金融機関を利用する場合は、預入条件や取扱店舗、アプリ利用の有無、満期後の金利を確認することが重要です。特別金利は初回預入時のみ適用され、満期後は通常の店頭表示金利に戻ることがあります。満期日をカレンダーや家計管理アプリに記録し、満期後に放置しないことが利息を最大化するポイントです。
8位:大阪信用金庫「アプリ定期預金『たまるんや』」
同率8位は、大阪信用金庫のアプリ定期預金「たまるんや」です。1年ものの税引前金利は年1.00%です。大阪信用金庫アプリ専用の商品で、スマートフォンを使って定期預金を作成できる点が特徴です。
アプリ専用定期は、店舗へ行かずに預け入れできる利便性があります。日中に窓口へ行く時間がない人や、ボーナス資金をすぐに定期預金へ移したい人にとって、スマホで手続きできる商品は使いやすい選択肢です。
一方で、アプリ専用商品には、利用できる口座、取扱期間、預入金額、満期後の取扱いなど、独自の条件があります。特に満期後に自動継続される場合、次回も同じ年1.00%が適用されるとは限りません。定期預金は「預けたら終わり」ではなく、「満期後に見直す」ことで効果が高まります。
8位:日新信用金庫「夏の特別定期預金『ナツトク2026』」
同率8位は、日新信用金庫の夏の特別定期預金「ナツトク2026」です。1年ものの税引前金利は年1.00%です。個人を対象としたキャンペーン定期で、新たな資金による預け入れが条件とされています。
「新たな資金限定」とは、一般的に、すでに同じ金融機関に預けている資金ではなく、他の金融機関などから新しく入金した資金を対象とする条件です。金融機関としては新規資金を集める目的があり、その分、通常よりも高い金利を設定することがあります。
利用者側としては、現在の普通預金や低金利の定期預金に置いている資金を見直すきっかけになります。ただし、既存の定期預金を中途解約して移す場合は、中途解約利率が適用され、当初予定していた利息が受け取れない可能性があります。預け替えを行う場合は、現在の定期預金の満期日を確認してから動くのが基本です。
100万円を1年預けた場合の税引後利息の目安
定期預金の金利を見るときは、税引前金利だけでなく、税引後の受取利息も確認しておきましょう。定期預金の利息には、原則として20.315%の税金がかかります。
例えば、100万円を1年間預けた場合の税引後利息の目安は次のとおりです。
年1.40%なら、税引後利息は約11,156円です。年1.30%なら約10,359円、年1.20%なら約9,562円、年1.00%なら約7,969円です。
このように、同じ100万円でも、金利が0.40%と1.40%では、1年間の受取利息にかなり差が出ます。もちろん、数千円の差だけで遠方の金融機関に無理に口座を開く必要はありません。しかし、すでに利用条件を満たしている信用金庫・信用組合がある場合や、インターネット支店で手続きできる場合は、金利差を意識する価値があります。
信用金庫・信用組合の定期預金を選ぶときの注意点
信用金庫・信用組合の定期預金を選ぶときは、金利だけでなく、5つのポイントを確認しましょう。
1つ目は、適用条件です。組合員限定、年金受取者限定、新規資金限定、アプリ限定など、商品ごとに条件があります。ランキングの最高金利が表示されていても、自分に適用されるとは限りません。
2つ目は、預入金額です。10万円から預けられる商品もあれば、50万円以上、100万円以上、1,000万円以上など、まとまった資金が必要な商品もあります。
3つ目は、満期後の金利です。キャンペーン金利は初回預入時のみ適用され、満期後は通常金利で自動継続されることがあります。満期後にそのまま放置すると、思ったより低い金利で継続される可能性があります。
4つ目は、中途解約利率です。定期預金は満期まで預けることを前提とした商品です。途中で解約すると、当初の高い金利ではなく、中途解約利率が適用されることが一般的です。生活費や急な支出に使う可能性のある資金まで、すべて定期預金に入れるのは避けましょう。
5つ目は、預金保険制度です。定期預金は預金保険制度の対象ですが、保護されるのは1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までと破綻日までの利息です。高金利だからといって、1つの金融機関に資金を集中させすぎるのではなく、必要に応じて分散することが大切です。
1年定期はどんな人に向いているか
1年定期預金は、リスクを抑えながら短期で資金を運用したい人に向いています。株式や投資信託のように価格変動を取りにいく商品ではないため、元本の値動きに不安を感じる人でも利用しやすいのが特徴です。
特に、半年から1年程度は使う予定がない資金、住宅購入や教育費の一部として数年以内に使う可能性がある資金、退職金やボーナスの一部、生活防衛資金の上乗せ部分などと相性が良いです。
一方で、10年以上使わない長期資金をすべて定期預金だけに置くと、インフレに対して資産価値が目減りする可能性があります。長期資金については、NISAを活用した投資信託、個人向け国債、保険、現金預金などを組み合わせて考えることが大切です。
定期預金は、資産形成の主役というよりも、「守りの資金置き場」として活用すると効果的です。高金利の1年定期を上手に使えば、安全性を重視しながら、普通預金よりも効率よく利息を受け取ることができます。
まとめ|2026年6月は信用金庫・信用組合の1年定期にも注目
2026年6月時点では、信用金庫・信用組合の1年定期預金にも、年1%を超える高金利商品が複数見られます。特に、あすか信用組合、ミレ信用組合、愛知県医師信用組合、横浜幸銀信用組合、豊田信用金庫などは、条件を満たせば1年定期として高い金利を狙える水準です。
ただし、信用金庫・信用組合の商品は、組合員資格、営業地域、預入金額、取扱期間、募集総額、アプリやインターネット支店の利用条件などを必ず確認する必要があります。ランキング上の金利だけで判断せず、自分が実際に利用できる条件で比較しましょう。
ファイナンシャルプランナーの視点では、1年定期預金は「増やす投資」というより、「減らさずに利息を受け取る守りの運用」です。普通預金に置きっぱなしの資金がある人は、信用金庫・信用組合の高金利定期を確認することで、家計の利息収入を少しずつ底上げできます。
大切なのは、無理に大きな金額を預けることではありません。使う予定のあるお金、生活防衛資金、長期運用資金を分けたうえで、当面使わない資金の一部を1年定期に回すことです。2026年6月は、信用金庫・信用組合の定期預金を見直す良いタイミングといえるでしょう。
留意事項
本記事は、2026年6月12日時点で各金融機関の公式ページを確認し、1年定期預金の税引前金利をもとに作成しています。金利、取扱期間、募集総額、対象者、預入条件は変更される可能性があります。実際に預け入れる際は、必ず各金融機関の公式ページまたは窓口で最新情報を確認してください。本記事は特定の金融機関や金融商品の利用を推奨するものではありません。預金の利用にあたっては、ご自身の資金使途、流動性、預金保険制度、家計状況を踏まえてご自身で判断してください。