住宅価格も金利も上昇――2026年は住宅ローン選びがさらに重要に
住宅購入を検討している方にとって、2026年はこれまで以上に慎重な資金計画が求められる年になっています。
理由は大きく2つあります。
1つ目は、住宅そのものの価格が大きく上昇していることです。
建築資材価格やエネルギー価格、人件費の上昇が住宅建築コストを押し上げています。国土交通省が2026年7月に公表した主要建設資材の調査でも、アスファルト合材、異形棒鋼、H形鋼、木材など一部資材について「やや上昇」とされています。また、2026年3月から適用される公共工事設計労務単価も14年連続の上昇となりました。
土地だけでなく、建物を建てるためのコストそのものが上昇しているため、数年前と同じ予算感覚で住宅を購入することが難しくなっています。
そして2つ目が、住宅ローン金利の上昇です。
日本銀行は現在、無担保コール翌日物金利を1.0%程度で推移するよう金融市場調節を行っています。さらに2026年7月の展望レポートでは、経済・物価・金融情勢に応じて「引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく」としています。
つまり、「住宅価格が高いのに、住宅ローン金利まで上がる」という、住宅購入者には厳しい環境になりつつあります。
筆者としては、2026年内にもう一段の政策金利引き上げが行われる可能性も十分考えておくべきだと見ています。ただし、追加利上げの時期や幅は決定事項ではなく、今後の物価・景気・為替などによって左右されます。
そこで今回は、銀行だけでなく、信用金庫・信用組合まで対象を広げ、2026年8月時点の住宅ローン「変動金利」の最低水準を比較しました。
意外にも、ネット銀行やメガバンクだけが低金利とは限りません。
果たして2026年8月、最も低い変動金利を打ち出している金融機関はどこなのでしょうか。
住宅ローン金利ランキングの比較条件
今回のランキングは、2026年8月19日時点で各金融機関の公式サイトから確認できた、新規住宅ローンの変動金利の最低・最優遇水準を中心に比較しています。
調査対象は主要銀行・ネット銀行に加え、公式サイト上で2026年8月の住宅ローン金利を確認できた信用金庫・信用組合です。
ただし、住宅ローンの最低金利には、
- 給与振込
- クレジットカード契約
- 自己資金割合
- WEB契約
- 通信サービス契約
- 年齢
- 物件条件
- 金融機関の営業地域
- 信用組合の組合員資格
などの条件が設定されている場合があります。
そのため、ランキングの金利が誰にでも適用されるわけではありません。
また、事務手数料、保証料、団体信用生命保険の上乗せ金利なども金融機関によって異なります。
今回はあくまで「変動金利の最低水準」を比較したランキングとしてご覧ください。
それでは、第10位から見ていきましょう。
第10位 イオン銀行|年1.040%~
物件価格の80%以内なら年1.040%~
第10位はイオン銀行です。
2026年8月1日現在、新規借入の全期間優遇金利プランは、物件価格の80%以内で借り入れる場合、変動金利が年1.040%~となっています。
店頭表示利率は年3.22%で、最大年2.18%の引き下げです。物件価格の80%を超えて借り入れる場合は年1.12%~となるため、自己資金をある程度準備できるかどうかで金利が変わってきます。
また、全疾病保障付団信について金利上乗せ0%という点も特徴です。
一方、35年を超えて最長50年まで借りる場合は、利用する金利プランに年0.1%が上乗せされます。住宅価格上昇によって50年ローンを検討する人も増えると考えられますが、単純に返済期間を長くするだけではなく、金利上乗せまで含めて判断したいところです。
第9位 播州信用金庫|年1.025%
信用金庫ながらメガバンク級の低金利
第9位は兵庫県を中心に展開する播州信用金庫です。
2026年8月1日現在、変動金利型住宅ローンの店頭表示金利は年3.025%ですが、最大年2.0%の金利引き下げによって、年1.025%まで下がります。
適用には、カードローン、給与振込、年金振込、ばんしんクレジットカードのうち2項目以上を契約することなどが条件となっています。
全国どこからでも利用できるネット銀行とは性格が異なりますが、利用対象になる方であれば十分比較候補になります。
「住宅ローンはメガバンクかネット銀行」と決めつけず、地元の信用金庫も確認しておく価値がある好例といえるでしょう。
第8位 みずほ銀行|年1.025%~
2027年1月からの金利上昇がすでに示されている
第8位はみずほ銀行です。
2026年9月30日までに変動金利年1.025%~で借り入れた場合、みずほ銀行は2027年1月返済分から年1.275%~が適用される予定と案内しています。
これは2026年8月3日に行われた短期プライムレート改定を反映するもので、さらに2026年10月1日までに追加の短期プライムレート改定があれば、その改定も反映されます。
この動きは、2026年の住宅ローン市場を考えるうえで非常に重要です。
「今借りられる金利」と「数カ月後の返済金利」は必ずしも同じではありません。
特に変動金利では、契約時の数字だけを見て判断するのではなく、今後1%台半ば、2%台へ上昇した場合でも返済できるかを考えておく必要があります。
第7位 盛岡信用金庫|年1.000%~
ついに1.0%ジャスト
第7位は盛岡信用金庫です。
2026年8月3日現在、もりしん住宅ローン「築」の変動金利型は年1.00%~1.15%となっています。別途保証料が必要となりますが、最低水準はちょうど年1.00%です。
ネット銀行ではなく、地域の信用金庫が年1%という水準を提示している点は注目できます。
住宅ローンでは金利差がわずかに見えても、借入額が3,000万円、4,000万円、5,000万円と大きくなり、返済期間が30年、35年と長くなるほど総返済額への影響は拡大します。
地域金融機関の場合、利用できる地域や審査条件を確認する必要がありますが、対象になる方なら候補に入れておきたい住宅ローンです。
第6位 SBI新生銀行|実質年0.990%水準
SBIハイパー預金開設で年0.09%引き下げ
第6位はSBI新生銀行です。
2026年8月の変動金利(半年型)の通常金利は年1.080%。さらに「SBIハイパー預金開設者限定 住宅ローン金利優遇プログラム」を利用すると、当初借入金利から年0.09%引き下げとなるため、計算上は年0.990%水準となります。
SBIハイパー預金の開設が条件となりますが、金利タイプを変更しなければ、年0.09%の引き下げ幅は当初借入期間終了後も継続するとされています。
ただし、自己資金10%以上の金利優遇など、他の住宅ローンキャンペーン・プログラムとは原則として併用できません。
住宅ローンでは「どの優遇制度を選ぶのが最も有利なのか」まで確認することが重要です。
第5位 りそな銀行・埼玉りそな銀行|年0.950%~
WEB完結と取引条件で0.95%台へ
いよいよTOP5です。
第5位はりそな銀行・埼玉りそな銀行。
2026年8月の融資手数料型住宅ローンでは、変動金利が年0.950%~となっています。
最低金利の適用には、事前審査から正式審査、電子契約までWEBで手続きを行うことに加え、給与振込や対象のデビットカード・クレジットカードなどの条件があります。
単純な金利の低さだけでなく、店舗相談とオンライン手続きを組み合わせやすい点も、ネット銀行とは異なる特徴です。
住宅購入は物件選び、売買契約、登記、火災保険、引っ越しなど多くの手続きが同時進行するため、対面相談を重視する方にとっては金利以外の使いやすさも重要になります。
第4位 三菱UFJ銀行|年0.945%
メガバンクでも0.9%台半ば
第4位は三菱UFJ銀行です。
2026年8月の新規借入では、「ずーっと一律優遇コース」の変動金利が年0.945%。店頭表示金利年3.125%から年2.18%引き下げられます。
借入期間40年でも金利上乗せなしという点も特徴です。
適用条件には、給与振込の利用や「スーパー普通預金(メインバンク プラス)」「三菱UFJダイレクト」などがあります。また、借入時には借入金額の2.2%の手数料が必要です。
メガバンクでも変動金利についてはネット銀行と競争できる水準になっています。
住宅ローンを長期間利用する場合、店舗網や将来的な相談のしやすさを重視する方にとっても有力な選択肢です。
第3位 auじぶん銀行|年0.926%
条件を満たせば0.9%台前半
第3位はauじぶん銀行です。
不動産会社経由で申し込み、50歳以下で一般団信を選択した場合、2026年8月の変動金利は通常年1.130%、一般団信限定金利で年1.076%となり、さらに住宅ローン金利優遇割を最大適用すると年0.926%まで下がります。
ただし、今回取り上げる0.926%は誰でも無条件に利用できる金利ではありません。
年齢、団信、申込経路、通信サービスなど複数の条件が関係します。また、借入期間を35年1カ月以上とすると年0.1%が上乗せされ、借入金額の2.20%の事務手数料も必要です。
条件が合う方にとっては強力ですが、「広告上の最低金利だけ」で判断しないよう注意したい住宅ローンでもあります。
第2位 朝日新聞信用組合|年0.890%
信用組合から0.8%台が登場
第2位は朝日新聞信用組合です。
2026年8月1日現在、「短プラ連動型住宅ローン」は店頭金利年3.125%に対して優遇幅が年2.235%となり、優遇後金利は年0.890%です。
さらに朝日新聞信用組合の住宅ローンでは、融資事務手数料、保証料、保証事務取扱手数料、団体信用生命保険料などを0円としている商品もあり、金利以外のコスト面でも特徴があります。
ただし、ここは非常に重要です。
朝日新聞信用組合は一般的な全国型銀行ではありません。住宅ローンの利用者について、公式ページでは朝日新聞信用組合の組合員で、所定の社員・職員・役員などであることを利用条件として掲げています。
したがって、年0.890%という金利だけを見て誰でも申し込める商品と考えるのは適切ではありません。
対象者は限定されますが、信用組合の住宅ローンの中には、全国型銀行を大きく下回る金利が存在することを示す好例です。
第1位 栃木信用金庫|年0.700%
驚異の0.7%!2026年8月の調査で最も低い水準
そして今回の第1位は栃木信用金庫です。
2026年8月時点の住宅ローンでは、当初変動金利を選択すると、店頭金利年3.275%から年2.575%引き下げられ、適用金利は年0.700%となっています。
今回調査した金融機関の中では、頭ひとつ抜けた金利水準です。
対象となるのは、2026年7月1日から9月30日までに申し込みを受け付け、2027年9月30日までに融資実行される方。一般団信については金利上乗せなしの商品も用意されています。
もちろん、信用金庫ですので利用できる方や物件、取引条件などについて個別確認が必要です。
それでも、今回の調査で最も印象的だったのは、ネット銀行ではなく信用金庫が0.7%という最安水準を提示していたことです。
住宅ローンを探す場合、「ネット銀行だけ比較して終わり」ではなく、自宅や購入予定物件の地域にある信用金庫・信用組合まで確認することで、有利な住宅ローンが見つかる可能性があります。
【2026年8月版】住宅ローン変動金利ランキングTOP10一覧
| 順位 | 金融機関 | 変動金利の最低水準 | 主なポイント |
|---|---|---|---|
| 1位 | 栃木信用金庫 | 年0.700% | 期間限定の優遇金利 |
| 2位 | 朝日新聞信用組合 | 年0.890% | 短プラ連動型・利用対象者に制限 |
| 3位 | auじぶん銀行 | 年0.926% | 年齢・団信・各種優遇条件あり |
| 4位 | 三菱UFJ銀行 | 年0.945% | ずーっと一律優遇コース |
| 5位 | りそな銀行・埼玉りそな銀行 | 年0.950%~ | WEB完結等の条件あり |
| 6位 | SBI新生銀行 | 年0.990%水準 | 通常1.080%から優遇適用時 |
| 7位 | 盛岡信用金庫 | 年1.000%~ | 別途保証料あり |
| 8位 | みずほ銀行 | 年1.025%~ | 2027年1月から上昇予定 |
| 9位 | 播州信用金庫 | 年1.025% | 給与振込等の取引条件あり |
| 10位 | イオン銀行 | 年1.040%~ | 物件価格80%以内の場合 |
※同水準の金融機関について順位そのものに優劣を付けるものではありません。
※各金利は2026年8月19日時点で公式サイトから確認した最低・最優遇水準を基準にしています。
※実際の適用金利は審査結果、借入割合、取引状況、団信、申込経路、借入期間などによって異なります。
2026年の住宅ローンは「最低金利」だけで選んではいけない
今回のランキングを見ると、依然として年0%台の変動金利が存在しています。
しかし、これから住宅ローンを組む方にとって重要なのは、今の0.7%、0.9%、1.0%という数字だけではありません。
特に確認しておきたいのは、次の4点です。
① 金利が1%上昇しても返済できるか
2026年の金融環境では、変動金利が将来上昇する可能性を無視するのは難しくなっています。
日本銀行自身が、経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げる方針を示しています。
住宅ローンの審査に通る金額と、家計が無理なく返済できる金額は同じではありません。
「現在の金利なら返せる」ではなく、金利がさらに1%程度上がっても生活を維持できる借入額かという視点が必要です。
② 5年ルール・125%ルールの有無を確認する
変動金利の住宅ローンでも、金融機関によって金利上昇時の返済額の扱いは異なります。
例えばSBI新生銀行は、いわゆる「5年ルール」「125%ルール」を採用しておらず、適用利率が変更されると返済額も変更される仕組みです。
最低金利だけではなく、金利上昇時に毎月の返済額がどのように変わるのかまで確認しましょう。
③ 事務手数料・保証料まで含めて比較する
ネット銀行を中心に、借入額の2.2%程度を事務手数料として設定する住宅ローンが増えています。
4,000万円を借りる場合なら、2.2%は決して小さな金額ではありません。
一方、信用金庫や信用組合では保証料が必要になるケースもあり、金利だけを横並びにしても実際の負担額を正確に比較できません。
金利+事務手数料+保証料+団信上乗せ金利まで含めた総コストで判断することが重要です。
④ 住宅価格そのものを無理しすぎない
現在は住宅ローン金利だけでなく、住宅そのものが高くなっています。
国土交通省の資料でも、建築資材価格や人件費の上昇が不動産市場に影響していることが確認できます。
住宅価格が高いから50年ローンにする、ペアローンで借入額を増やす、という方法もありますが、返済期間を延ばせば将来の金利変動にさらされる期間も長くなります。
「借りられる金額」ではなく、老後まで含めて返せる金額から住宅予算を決めることが、これまで以上に重要になっています。
今後、住宅ローンの変動金利はどうなる?
2026年8月時点では、変動金利でもまだ1%前後の商品が多く残っています。
しかし、金利環境は数年前とは明らかに変わりました。
日本銀行は政策金利を1.0%程度としており、2026年7月の金融政策方針でも、経済・物価・金融情勢に応じて追加利上げを続ける方向性を示しています。
筆者は、物価や賃金の上昇が続けば2026年内の追加利上げも十分あり得ると考えています。
もちろん、景気悪化や海外情勢、為替市場などによって利上げ時期が後ろ倒しになる可能性もあります。
したがって、変動金利を選ぶこと自体が悪いわけではありません。
重要なのは、
「低金利だから変動金利を選ぶ」のではなく、「金利が上がっても返せるから変動金利を選ぶ」ことです。
これが2026年以降の住宅ローン選びでは非常に重要な考え方になるでしょう。
よくある質問(FAQ)
2026年8月で最も低い住宅ローンの変動金利は?
今回、当サイトが主要銀行・ネット銀行および公式サイトで金利を確認できた信用金庫・信用組合を調査した範囲では、栃木信用金庫の年0.700%が最も低い水準でした。
変動金利は今後上がりますか?
上昇する可能性があります。日本銀行は2026年7月時点で、経済・物価・金融情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げる方針を示しています。ただし、時期や幅は決定していません。
信用金庫の住宅ローンは誰でも利用できますか?
金融機関ごとに利用条件が異なります。営業地域や勤務先、取引条件などを確認する必要があるため、低い金利が掲載されていても必ず利用できるとは限りません。
住宅ローンは金利が低い金融機関を選べばいいですか?
金利だけでなく、事務手数料、保証料、団信、繰上返済手数料、金利上昇時の返済額の扱いなどを含めて比較することをおすすめします。
まとめ|住宅ローンはネット銀行だけでなく信用金庫・信用組合まで比較しよう
2026年8月の住宅ローンを調査すると、最も印象的なのは、低金利競争の主役が必ずしもネット銀行だけではないことです。
今回の調査では、栃木信用金庫の年0.700%、朝日新聞信用組合の年0.890%など、条件付きながら非常に低い金利が確認できました。
一方、三菱UFJ銀行、りそな銀行、auじぶん銀行など全国型金融機関でも0.9%台の商品があり、住宅ローン市場では依然として激しい金利競争が続いています。
ただし、今後は「変動金利0%台」という数字だけを追いかけるのは危険です。
住宅価格は高騰し、政策金利は上昇し、住宅ローンの基準となる市場金利にも上昇圧力がかかっています。
これから住宅を購入する方は、
①現在の適用金利
②将来の金利上昇リスク
③事務手数料・保証料
④団信の保障内容
⑤借入期間
⑥無理なく返済できる借入額
まで含めて比較しましょう。
住宅は人生でも最大級の買い物です。
金利が0.1%低いかどうかだけではなく、30年、35年、場合によっては50年という長期間を安心して返済できるかという視点で住宅ローンを選ぶことが重要です。
- 【2026年8月版】住宅ローン金利ランキングTOP10|変動金利が低い銀行・信用金庫を徹底比較
- 【2026年9月値上げ 第2弾】日用品・生活必需品 値上げランキングTOP10|8月中に確認したい生活必需品は?
- 【2026年8月版】電気代を安くする電力会社10選|月400kWhのファミリー世帯を徹底比較
出典・引用
▶日本銀行の公式ページはこちら
▶日本銀行「展望レポート・ハイライト(2026年7月)」はこちら
▶国土交通省「主要建設資材需給・価格動向調査」の公式ページはこちら
▶国土交通省「建設工事費デフレーター」の公式ページはこちら
本記事の住宅ローン金利は2026年8月19日時点で各金融機関の公式サイトから確認した情報をもとに作成しています。住宅ローン金利やキャンペーン内容は市場環境等により変更される場合があります。掲載金利は原則として各金融機関が公表する最低・最優遇水準であり、すべての申込者に適用されるものではありません。実際の適用金利、融資条件、保証料、事務手数料、団体信用生命保険、利用可能地域等については、必ず各金融機関の最新の公式情報をご確認ください。
また、本記事の2026年内の追加利上げに関する記述は筆者による将来予測であり、実際の金融政策や住宅ローン金利の動きを保証するものではありません。