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【2026年10月】政策金利は何%から住宅ローン破産が増える?給与上昇率との限界と「令和の徳政令」の可能性を徹底分析

先日、知人と話をしていたとき、住宅ローンについて少し気になる話題になりました。

「このまま金利が上がり続けたら、住宅ローンを返せなくなる人が増えるんじゃないか?」

さらに、その知人からは「もし住宅ローン破産が社会問題になるほど増えたら、昔の徳政令のように、国が借金を帳消しにすることもあるのでは?」という話も出てきました。

何気ない会話ではありましたが、改めて考えてみると、現在の日本経済にとって決して無視できないテーマだと感じました。そこで今回は、この会話をきっかけに、政策金利と給与上昇率の関係、住宅ローン破産が増える可能性、そして「令和の徳政令」とも呼べるような救済策が実現するのかについて考えてみたいと思います。

日本の政策金利が上昇するなか、住宅ローンを抱える家庭にとって、今後どこまで返済負担が増えるのかは大きな関心事になっています。長く続いた超低金利時代に住宅を購入した人にとって、金利上昇は家計の前提を大きく変える出来事になりつつあります。

給与が上がっているのだから、住宅ローン金利が多少上昇しても問題ない。そう考える人もいるかもしれません。しかし、実際には給与の上昇分がそのまま自由に使えるお金になるわけではありません。物価上昇や社会保険料、税金などを考慮すると、住宅ローンの返済に回せる余裕は思ったほど増えていない可能性があります。

私が特に注目しているのは、政策金利そのものよりも、住宅ローン金利の上昇による返済負担が、実質賃金の伸びを上回る状態がどれだけ続くかという点です。

政策金利が何%になれば住宅ローン破産者が急増するのか。その明確な境界線は存在しません。ただし、住宅ローン残高や返済期間、給与上昇率などを組み合わせることで、家計が厳しくなり始める金利水準を試算することはできます。

さらに気になるのが、住宅ローンの返済困難者が増えた場合、政府が救済に乗り出すのかという問題です。かつての徳政令のように借金が帳消しになるのか、それとも返済猶予や住宅ローン減税などの支援策が拡充されるのか。

今回は、2026年10月時点の金融環境を踏まえ、政策金利と給与上昇率の関係、住宅ローン破産が増え始める可能性のある金利水準、そして「令和の徳政令」が実現する可能性について、独自のシミュレーションを交えながら考察します。

1.2026年10月現在の政策金利と給与上昇率

まず、現在の日本の金融環境を整理してみましょう。

日本銀行は2026年9月18日の金融政策決定会合で追加利上げを決定し、政策金利の誘導目標を1.25%程度としました。日本経済は、住宅ローン金利がほとんど動かなかった超低金利時代から、金利変動を前提とした環境へ移行しています。

一方、厚生労働省が2026年10月7日に公表した毎月勤労統計調査によると、2026年8月の名目賃金は前年同月比3.8%増加し、実質賃金も1.5%のプラスとなりました。給与が物価上昇に追いつく動きが見られることは、家計にとって明るい材料です。

指標最新の数値対象時期
日本銀行の政策金利1.25%2026年9月利上げ後
名目賃金上昇率+3.8%2026年8月
実質賃金上昇率+1.5%2026年8月
消費者物価上昇率(総合)+1.9%2026年8月
消費者物価上昇率(生鮮食品除く)+1.7%2026年8月

※賃金上昇率は厚生労働省の毎月勤労統計調査、消費者物価上昇率は総務省統計局の全国消費者物価指数を参照しています。実質賃金の算出に用いる物価指数は、表に掲載した総合指数とは定義が異なる場合があります。

ここで注意したいのは、名目賃金が3.8%上昇したからといって、すべての住宅ローン利用者の給与が同じ割合で増えているわけではないという点です。

大企業と中小企業、正社員と非正規雇用、若年層と中高年層では、給与の上昇率に違いがあります。住宅ローンの返済期間は20年から35年程度に及ぶことも珍しくなく、その間に収入が安定して増え続ける保証はありません。

さらに、実質賃金がプラスでも、家計の余裕が必ず増えるとは限りません。教育費や保険料、マンションの管理費・修繕積立金など、それぞれの家庭が負担する支出は平均的な物価指数とは異なるからです。

つまり、現在の賃金上昇率だけを見て、住宅ローンの金利上昇に十分耐えられると判断するのは早計でしょう。

2.政策金利が何%になると住宅ローン破産が増えるのか

今回、最も重要なテーマがここです。

結論から言えば、私は政策金利が1.75%から2.00%に近づく局面を、住宅ローンの返済困難者が増える可能性を注意深く確認する段階と考えています。

ただし、この数字は公的機関が示した破産発生の基準ではありません。金利上昇が変動型住宅ローンに波及し、賃金上昇だけでは返済負担を吸収できない世帯が増えるという仮定に基づく独自のシナリオです。

政策金利ごとの家計への影響を整理すると、次のようになります。

政策金利想定される家計への影響独自の警戒度
1.25%低金利時代との差が家計に表れ始める注意
1.50%返済余力の少ない世帯に負担が集中注意
1.75%返済条件変更の相談増加を警戒警戒
2.00%延滞率や家計消費への影響を重点確認強い警戒
2.50%賃金停滞が重なれば負担が深刻化強い警戒
3.00%雇用悪化や不動産価格下落との連鎖に注意厳重警戒

※警戒度は筆者独自のシナリオ評価であり、統計的に実証された破産発生確率や政府の公式評価ではありません。

政策金利2%を一つの観察ポイントと考える理由は、低金利を前提に住宅ローンを組んだ世帯にとって、返済額の増加が家計の余裕を圧迫する可能性があるためです。

ただし、政策金利と住宅ローン金利は同じものではありません。金融機関によって金利の見直し時期や引き上げ幅が異なり、政策金利が0.25ポイント上がったからといって、すべての住宅ローン金利が同じ幅で上昇するわけではありません。

また、住宅ローンの延滞や破産が増えるかどうかは、金利だけでなく失業率や所得減少、住宅価格、家計の貯蓄額などにも左右されます。

政策金利2%は住宅ローン破産が急増する確定ラインではなく、金利と賃金のバランスが崩れていないかを確認する重要な目安と捉えるべきでしょう。

3.住宅ローン金利が上がると返済額はどれくらい増えるのか

実際に住宅ローン金利が上昇した場合、毎月の返済額はどの程度変わるのでしょうか。

ここでは、住宅ローン残高3,000万円、残り返済期間30年、元利均等返済、ボーナス返済なしという条件で試算します。

比較の基準となる住宅ローン金利は年0.75%とし、その後、適用金利が段階的に上昇した場合を考えます。

住宅ローン金利毎月返済額(概算)年間返済額(概算)年間負担増
0.75%93,100円111.7万円基準
1.00%96,500円115.8万円+4.1万円
1.50%103,500円124.2万円+12.5万円
2.00%110,900円133.1万円+21.4万円
2.50%118,500円142.2万円+30.5万円
3.00%126,500円151.8万円+40.1万円
3.50%134,700円161.6万円+49.9万円

※筆者による概算試算。金利が変更時点から残存期間全体に適用されると仮定し、100円単位を中心に丸めています。政策金利ではなく住宅ローンの適用金利です。実際の返済額には金利見直し時期や契約条件などが影響します。

例えば、住宅ローン金利が0.75%から2.50%に上昇した場合、毎月の返済額は約9.3万円から約11.9万円となり、年間では約30.5万円の負担増となります。

年間30万円を超える支出増加は、一般的な家庭にとって決して小さな金額ではありません。毎月に換算すれば約2万5,000円であり、食費や光熱費、教育費などを節約して対応する必要が出てくる家庭もあるでしょう。

そして、この負担増が一時的ではなく、長期間続く可能性があることも問題です。

4.給与が3.8%上がっても住宅ローンの負担増に追いつかない?

次に、給与上昇率と住宅ローンの返済負担を比較してみます。

例えば、年収600万円の会社員が前年より3.8%の給与上昇を実現した場合、単純計算では年間22万8,000円の収入増加となります。

しかし、住宅ローン金利が0.75%から2.50%に上昇すると、先ほどの条件では年間約30.5万円の返済負担増です。

給与上昇による額面収入の増加よりも、住宅ローン返済額の増加が約7.7万円大きくなります。さらに、給与の増加分からは税金や社会保険料などが差し引かれるため、手取り収入で考えると差はさらに広がる可能性があります。

年収給与3.8%上昇時の年間増加額住宅ローン年間負担増差額
400万円+15.2万円+30.5万円▲15.3万円
500万円+19.0万円+30.5万円▲11.5万円
600万円+22.8万円+30.5万円▲7.7万円
700万円+26.6万円+30.5万円▲3.9万円
800万円+30.4万円+30.5万円▲0.1万円
900万円+34.2万円+30.5万円+3.7万円

※住宅ローン残高3,000万円、残り30年、金利0.75%から2.50%への上昇を想定。給与増加額は税金・社会保険料控除前の単純計算であり、実際の手取り増加額とは異なります。

この比較では、年収800万円でも給与上昇分の大部分が住宅ローンの負担増によって相殺される計算になります。

もちろん、これは住宅ローン金利が合計1.75ポイント上昇した場合のシナリオであり、政策金利が1.75ポイント上昇することと同義ではありません。また、住宅ローン金利の上昇と給与上昇が同じ期間に発生するとも限りません。

それでも、給与上昇率が高いという理由だけで家計の返済能力が十分に改善しているとは言えないことが分かります。

特に注意したいのは、家計の余剰資金が少ない世帯です。月々の返済に加えて食費や教育費、保険料などの支払いが重なると、わずかな金利上昇でも家計が赤字に転じる可能性があります。

私が懸念しているのは、名目賃金が上昇しているにもかかわらず、住宅ローン返済後に自由に使えるお金が減少するという状況です。

5.変動金利の5年ルール・125%ルールは家計を守ってくれるのか

変動型住宅ローンには、金利が上昇しても毎月の返済額がすぐには増えない仕組みを採用している商品があります。

代表的なのが、5年ルールと125%ルールです。

5年ルールは、金利が変更されても毎月の返済額を原則5年間据え置く仕組みです。一方、125%ルールは、返済額を見直す際に、それまでの返済額の125%を超えないようにする仕組みを指します。

ただし、すべての変動金利型住宅ローンに両方のルールが適用されるわけではありません。採用の有無や具体的な条件は金融機関と契約内容によって異なります。

また、毎月の返済額が据え置かれていても、金利上昇の影響がなくなるわけではありません。返済額のうち利息に充てられる割合が増え、元金の減少ペースが遅くなることがあります。条件によっては未払利息が発生する場合もあります。

つまり、毎月の返済額が変わらないことと、住宅ローンの負担が増えていないことは別問題です。

むしろ、返済額の増加が一定期間先送りされることによって、家計が金利上昇の影響を実感するタイミングが遅れる可能性があります。

今後の住宅ローン問題を考える際には、毎月の返済額だけでなく、借入残高の減少ペースや返済終了時の残債にも注意が必要でしょう。

6.住宅ローン破産が増えやすい世帯の特徴

住宅ローン金利が上昇しても、すべての家庭が同じ影響を受けるわけではありません。

比較的余裕のある家計では、収入増加や貯蓄の取り崩しによって負担増を吸収できる可能性があります。一方、当初から返済額が家計に占める割合の高い世帯では、金利上昇が直接的な生活不安につながりやすくなります。

私が特に注意すべきだと考えるのは、住宅購入時に借入可能額の上限近くまで借り入れた世帯、頭金が少なく住宅ローン残高の多い世帯、教育費が増加する子育て世帯、そして退職までの期間が短くなっている中高年世帯です。

また、共働き世帯にも注意点があります。

住宅ローンの借入時には夫婦2人の収入を前提に返済計画を立てていても、出産や育児、介護、転職などによって世帯収入が変化することがあります。金利上昇と収入減少が同時に発生すると、家計への影響はより大きくなります。

さらに、ボーナス返済の割合が高い家庭も、企業業績の悪化によって賞与が減少した場合には返済計画が崩れる可能性があります。

住宅ローン破産を考える際に重要なのは、単純な年収の高さではありません。住宅ローン返済額が手取り収入に対してどの程度の割合を占めているか、そして予想外の支出に対応できる貯蓄があるかという点です。

7.令和の徳政令は実現するのか?住宅ローン救済策の可能性

ここからは、もう一つの大きなテーマである「令和の徳政令」について考えてみます。

仮に今後の利上げによって住宅ローンの返済困難者が増え、延滞や個人破産が社会問題化した場合、政府が何らかの対応を検討する可能性はあります。

しかし、住宅ローンの借入残高を一律に帳消しにする政策が実現する可能性は、現時点では低いと考えています。

理由は、住宅ローンの債務免除が金融機関の損失につながるだけでなく、住宅ローンを利用していない人や、すでに完済した人との公平性にも関わるためです。

また、金融機関に損失が集中すれば、新規の住宅ローン審査が厳格化され、将来住宅を購入する人の資金調達に影響する可能性もあります。

では、政府や金融機関による支援には、どのような選択肢があるのでしょうか。

想定される支援策内容筆者の見立て
返済期間の延長毎月の返済負担を軽減現実的
元金返済の一時猶予一定期間の元金返済を減額・猶予現実的
返済条件変更への対応強化金融機関による相談・審査の柔軟化現実的
住宅ローン減税の拡充一定条件で税負担を軽減政策選択肢
低所得世帯への利子補給対象者を限定して金利負担を軽減財源が課題
債務整理・生活再建支援法的手続などで生活再建を支援個別対応として現実的
住宅ローンの一律免除借入残高を広範囲に帳消し実現のハードルが高い

※現時点でこれらすべての制度の新設や拡充が決定しているわけではありません。既存制度と将来考えられる政策選択肢を整理したものです。

実際、住宅金融支援機構では、返済が困難になった利用者に対して返済方法の変更メニューを用意しています。離職や病気などの事情によって収入が減少した場合、一定の条件を満たせば返済期間の延長や一定期間の返済額軽減などを相談できる仕組みです。

ただし、こうした措置は無条件に認められるものではなく、審査が必要です。また、返済期間を延長すると毎月の負担が軽くなる一方、利息を含む総返済額が増える場合があります。

したがって、将来「令和の徳政令」と呼ばれるような政策が議論されるとしても、その中心は借金の帳消しではなく、返済猶予や返済期間の延長、生活再建支援などになるのではないでしょうか。

8.住宅ローン問題は不動産価格の下落にもつながるのか

住宅ローン問題が深刻化するのは、金利上昇によって返済額が増えることだけではありません。

私がさらに懸念しているのは、金利上昇が住宅購入需要の減少や不動産価格の下落につながり、住宅ローンを抱える世帯の資産状況を悪化させる可能性です。

例えば、住宅ローン残高が3,500万円ある一方で、自宅の売却価格が3,000万円まで下落した場合、売却しても単純計算で500万円の債務が残ります。売却に伴う諸費用を考慮すれば、実際の負担はさらに増える可能性があります。

住宅価格がローン残高を下回る状態では、返済が苦しくなっても簡単に住宅を手放せないという問題が生じます。

金利上昇によって住宅購入者の借入能力が低下し、新規の住宅需要が弱まれば、一部の地域では不動産価格に下押し圧力がかかることも考えられます。

特に、人口減少が進む地域や住宅供給が多い地域では、金利上昇による需要減少と人口動態の変化が重なる可能性があります。

ただし、不動産価格は地域によって大きく異なります。都市部の利便性が高い物件と地方の住宅では需給環境が異なるため、日本全国の住宅価格が一律に下落するとは限りません。

重要なのは、金利上昇、所得環境の悪化、不動産価格の下落が同時に発生するかどうかです。

この3つが重なる場合、住宅ローン問題は単なる家計負担の増加から、金融機関の信用リスクや不動産市場全体の問題へと発展する可能性があります。

9.住宅ローン破産が増える前に日銀は利上げを止めるのか

ここで考えておきたいのが、日本銀行の金融政策との関係です。

日銀が政策金利を引き上げる背景には、物価や賃金の動向、経済活動、金融市場など、さまざまな要因があります。一方、利上げが家計や企業に過度な負担を与えれば、消費や設備投資を抑える方向に作用します。

住宅ローンを抱える家庭では、返済負担が増えるほど外食や旅行、耐久消費財などへの支出を減らすことが考えられます。個人消費が弱まれば企業の売上や利益にも影響し、結果として賃金上昇が鈍化する可能性があります。

つまり、金利上昇が家計を圧迫し、その影響が景気減速を通じて再び所得環境を悪化させるという循環が起こり得るのです。

このような状況が強まれば、日銀が追加利上げを見送ったり、金利の据え置き期間を長くしたりする可能性もあります。

ただし、金融政策は住宅ローン利用者の返済負担だけで決まるものではありません。物価上昇が続く場合には、景気への影響を慎重に見極めながらも、金融引き締めを続ける判断がなされる可能性があります。

私は、政策金利が2%に到達するかどうかと同じくらい、そこに至るまでに日本の個人消費や住宅投資がどの程度弱まるのかが重要だと考えています。

10.今後、住宅ローン破産の増加を判断するために注目したい指標

住宅ローン問題が深刻化しているかどうかを判断するには、政策金利だけでは十分ではありません。

私が今後注目したいのは、実質賃金、住宅ローン延滞率、金融機関の返済条件変更件数、失業率、不動産価格の5つです。

特に実質賃金は、物価上昇を考慮した家計の購買力を示す重要な指標です。名目賃金が上昇していても、実質賃金が再びマイナスとなれば、住宅ローン返済以外の生活費が家計を圧迫する可能性があります。

また、住宅ローン延滞率や返済条件変更件数が増え始めた場合には、金利上昇の影響が実際の返済行動に表れ始めている可能性があります。

注目指標注意したい変化想定される影響
実質賃金マイナスへの転換や伸びの鈍化家計の購買力低下
住宅ローン延滞率継続的な上昇返済困難者の増加
返済条件変更件数相談・変更件数の増加家計負担の顕在化
完全失業率上昇傾向世帯収入の不安定化
不動産価格継続的な下落売却による完済が困難に

これらの指標が同時に悪化する場合には、住宅ローン問題が個別世帯の問題を超えて、経済全体に影響を及ぼす可能性をより強く意識する必要があります。

ただし、各指標の悪化が直ちに個人破産の増加を意味するわけではありません。実際の破産に至るまでには、貯蓄の取り崩し、家計の見直し、返済条件変更、住宅売却、債務整理など、さまざまな段階があります。

結論:政策金利2%前後は重要な観察ポイントになる

2026年10月現在、日本の政策金利は1.25%となり、名目賃金と実質賃金はともに前年同月比でプラスとなっています。

一見すると、給与上昇が金利上昇による負担を吸収できるようにも見えます。しかし、住宅ローンの返済額は借入残高や返済期間によって大きく異なり、平均的な給与上昇率だけでは個々の家計の安全性を判断できません。

私の独自のシナリオでは、政策金利が1.50%に近づく段階から返済余力の乏しい世帯への影響を確認し、1.75%から2.00%では延滞率や返済条件変更の動向を一段と注意深く見る必要があると考えています。

さらに政策金利が2.50%以上となり、実質賃金の悪化や失業率の上昇が重なる場合には、住宅ローンの返済困難者が増えるリスクが高まる可能性があります。

ただし、政策金利2%が住宅ローン破産の急増を意味するわけではありません。金利上昇がどの程度住宅ローンの適用金利に転嫁されるのか、所得や雇用がどれだけ改善するのかによって、その影響は大きく変わります。

また、住宅ローンの返済困難者が増えたとしても、政府が一律に借金を帳消しにする「令和の徳政令」が実現する可能性は高くないと考えています。実際には、返済猶予や返済期間延長、対象を限定した支援などを通じて、生活再建を図る方向が現実的でしょう。

そして、最後にもう一つ重要なことがあります。

これからの住宅ローン問題は、政策金利が何%になったかだけではなく、金利上昇によって家計に残るお金がどれだけ減ったのかという視点で捉える必要があります。

給与が上昇しても、それ以上に住宅ローンの返済負担や生活費が増加する状況が続けば、家計の余裕は少しずつ失われていきます。

政策金利2%に到達する前に返済困難者が増え始めるのか、それとも賃金上昇が負担増を吸収するのか。

私は、このバランスこそが、今後の日本経済と住宅ローン市場を考えるうえで重要な分岐点になると見ています。

出典・参考資料

▶ 日本銀行の公式ページはこちら|2026年金融市場調節方針
▶ 厚生労働省の公式統計ページはこちら|毎月勤労統計調査
▶ 総務省統計局の公式ページはこちら|消費者物価指数
▶ 住宅金融支援機構の公式ページはこちら|住宅ローンの返済方法変更
▶ 住宅金融支援機構の公式ページはこちら|返済が困難になった場合の相談・支援
▶ 住宅金融支援機構の公式ページはこちら|返済方法変更の対象条件

本記事は、日本銀行、厚生労働省、総務省などの公的機関が公表した情報を参考に、筆者独自の分析と計算条件に基づいて作成したものです。政策金利と住宅ローン破産の関係について、公的に確立された危険水準が存在するわけではありません。記事中の政策金利1.50〜3.00%の分析は将来の仮定であり、住宅ローン破産者数や政策変更を予測・保証するものではありません。また、住宅ローンの返済額や金利改定の影響は、金融機関、借入条件、返済方式、家計の所得状況などによって異なります。本記事は一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品や借入方法を推奨するものではありません。

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