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2026年10月、日本の定期預金市場は新たな局面を迎えています。日本の長期金利は3%台に乗せる場面がみられ、10月募集の個人向け国債は、変動10年が年2.05%、固定5年が年2.39%、固定3年が年2.07%と、3種類すべてで2%を突破しました。
日本銀行は9月に政策金利を1.25%程度へ引き上げており、年内の追加利上げも意識されています。ネット銀行やメガバンク、信用金庫に加え、地方銀行でも預金獲得競争が一段と活発になってきました。
特に注目したいのは、地方銀行の1年もの定期預金で年1.80%の商品が登場していることです。前月までのランキングとは顔ぶれが変わり、10月は銀行グループの周年記念キャンペーンが存在感を強めています。
今回は全国の地方銀行・第二地方銀行とそのインターネット支店を対象に、2026年10月9日時点で確認できる個人向け円定期預金を比較しました。基本的に1年もの・税引前の年利を採用し、同一金利の場合は預入条件や利用しやすさなどを考慮して、当サイト独自の順位を付けています。
なお、対象商品は新規口座開設者限定や他行からの預け替え限定など、利用条件の異なるものを含みます。全国すべての銀行商品の網羅を保証するものではありませんが、公式情報で確認できた注目商品を厳選しました。
それでは、第10位から順番に見ていきましょう。
【2026年10月】地方銀行の定期預金金利ランキングTOP10
第10位 足利銀行|年1.10%
第10位は、栃木県を中心に展開する足利銀行です。
足利銀行では、2026年10月1日から「めぶきフィナンシャルグループ創立10周年記念定期預金キャンペーン」を開始しました。窓口限定プランでは、1年もの定期預金に年1.10%の特別金利が適用されます。
対象となるのは、100万円以上の新たな資金を預け入れる個人・個人事業主です。取扱期間は2027年1月31日までとなっており、預入金額に応じて栃木県または茨城県の県産品がプレゼントされる点も特徴です。
100万円以上500万円未満では3,000円相当、500万円以上1,000万円未満では5,000円相当、1,000万円以上では10,000円相当の県産品が用意されています。
銀行預金という金融サービスに、地域の特産品を組み合わせたところは地方銀行らしい取り組みといえるでしょう。単純な利息だけで比較するのではなく、地域に根差した特典まで含めて商品を選ぶ楽しさがあります。
なお、足利銀行アプリ限定プランの1年もの金利は年0.70%です。年1.10%が適用されるのは窓口限定プランであり、申込方法によって条件が変わる点には注意が必要です。
第9位 島根銀行|年1.15%
第9位は島根銀行です。
島根銀行では、2026年9月1日から10月30日まで「しまぎん地域活性化定期預金第3弾」を実施しています。
今回注目するのは「ステップアップちいかつ定期Ⅲ」です。Aコースまたはアプリコースを利用した場合、1年目の金利は年1.15%、2年目は年1.25%、3年目は年1.35%と、年数に応じて金利が上がる仕組みです。
預入金額は30万円以上。1年ごとの自動継続を条件として、最大3年間にわたり特別金利が適用されます。
この商品は、今後さらに金利が上昇する可能性がある環境で、少し違った魅力を持っています。通常の固定金利型定期預金では、契約時の金利が満期まで固定されますが、こちらは当初から段階的な引き上げが設計されています。
一方、3年間の特別金利を受けるには所定の継続条件を満たす必要があります。また、店頭のBコースでは1年目の金利が年0.95%となるため、申し込み方法による差も確認しておきたいところです。
地方銀行の定期預金が、単純な固定金利商品から、預金者の資金計画に合わせた多様な商品へ変化していることを感じさせます。
第8位 大光銀行|年1.30%
第8位は、新潟県長岡市に本店を置く大光銀行です。
大光銀行のインターネット専用支店「えちご大花火支店」では、「正三尺玉定期預金」の1年ものに年1.30%の金利を設定しています。
特徴は、1人あたり100万円までという預入上限が設けられていることです。まとまった大口資金をすべて預け入れる用途には向いていませんが、100万円程度の余裕資金を高金利で運用したい人には魅力があります。
100万円を年1.30%で1年間預け入れた場合、税引前の利息は13,000円、税引後では概算10,359円です。これが年0.50%の定期預金であれば税引前利息は5,000円となるため、同じ預金額でも金利の違いが大きく影響します。
同支店では「スターマイン定期預金」も提供しており、9月14日公表の金利表では、1年ものが年0.85%となっています。
地方銀行の通常の店頭金利と、インターネット支店の特別金利には大きな差が存在します。店舗運営コストを抑えながら全国から預金を集める仕組みは、今後の地方銀行にとって重要性を増していくでしょう。
第7位 七十七銀行|年1.30%
第7位は、宮城県仙台市に本店を置く七十七銀行です。
七十七銀行では、2026年9月7日から10月30日まで、<七十七>「実りの秋!」定期預金金利アップキャンペーンを実施しています。
新たな資金を対象としたプランAでは、100万円以上を1年もの定期預金に預け入れることで、年1.30%の特別金利が適用されます。6カ月ものにも年1.10%が設定されており、資金を利用する時期に合わせた選択が可能です。
さらに、既に七十七銀行に預けている資金を利用できるプランBも用意されています。こちらの1年ものは年1.20%となり、アプリやインターネットバンキングでの預け入れによって、所定のポイント特典を受けられる仕組みがあります。
地方銀行の定期預金は、他行からの新規資金に限って高金利を提示するケースが多くあります。そのなかで既存資金にも優遇プランを設けている点は、以前から銀行を利用している顧客にとって評価できるところです。
前月に続いて上位入りとなりましたが、10月は周囲の銀行が相次いで新しいキャンペーンを打ち出しています。七十七銀行の金利が低下したわけではなく、競争相手の金利水準がさらに上がったことで相対的な順位が変化しました。
第6位 徳島大正銀行|年1.40%
第6位は徳島大正銀行です。
徳島大正銀行の「とくぎんネット支店」では、1年ものの「ネット支店スーパーとくとく定期預金」を提供しています。今回の比較対象となる金利は年1.40%で、1人あたり300万円まで利用できる商品です。
前月も上位に入っていた銀行ですが、最大の特徴は、地方銀行でありながらインターネット専用支店を通じて高金利の定期預金を提供しているところです。
例えば300万円を年1.40%で1年間預けた場合、税引前利息は42,000円、税引後では概算33,467円になります。一般的な年0.50%の定期預金と比較すると、税引前の利息差は年間27,000円に達します。
また、徳島大正銀行では、スーパーとくとく定期預金のほかに「ネット支店とくとく定期預金」も取り扱っています。商品によって適用金利や預入限度額が異なるため、同じ銀行の定期預金であっても比較が必要です。
地方銀行のネット支店は、ネット専業銀行ほど知名度が高くない場合があります。しかし、定期預金に限れば競争力のある商品が見つかることも少なくありません。
なお、今回参照できた銀行公式の金利一覧は2026年2月2日付で、当時の掲載金利は年1.00%です。前月確認した年1.40%について10月9日付の公式更新を確認できていないため、申し込み前には必ず最新の適用金利を照会してください。
第5位 香川銀行|年1.60%
第5位は、香川県高松市に本店を置く香川銀行です。
香川銀行のインターネット専用支店「セルフうどん支店」では、「超金利トッピング定期預金」の1年ものに年1.60%という高い金利が設定されています。
預入上限は1人100万円ですが、全国から利用できるインターネット支店の商品として注目されています。
前月のランキングでは第1位だった香川銀行ですが、10月は他の地方銀行で年1.80%の新しいキャンペーンが登場したため、相対的に順位を下げることになりました。
ただし、香川銀行の金利そのものが下がったわけではありません。年1.60%という水準は、1年もの定期預金として引き続き魅力的です。
同支店では、預入期間3カ月の「豪華金利トッピング定期預金」に年1.70%を設定しているほか、「金利トッピング定期預金」では1年・2年・3年・5年ものに年1.40%を設定しています。
今回のランキングは1年ものを基準にしていますが、短い期間で高金利を利用したい人は3カ月ものも比較する価値があります。
注意したいのは、自動継続後の取り扱いです。超金利トッピング定期預金は満期後に金利トッピング定期預金へ変更されるため、最初の年1.60%が継続するわけではありません。
金利が上がり続けている現在は、初回の預入金利と満期後の適用金利を分けて確認することが大切です。
第4位 愛媛銀行|年1.65%
第4位は、愛媛県松山市に本店を置く愛媛銀行です。
愛媛銀行のインターネット専用支店「四国八十八カ所支店」では、2026年9月18日から定期預金金利が引き上げられました。
特に注目したいのが「新規口座開設限定定期預金」です。1年ものの金利は、従来の年1.45%から年1.65%へ引き上げられました。
預入金額は100万円以上1,000万円以下で、新たに四国八十八カ所支店の口座を開設した人が対象です。
3カ月ものでは年1.80%という金利が設定されており、短期間の預金でも高金利を狙える点は魅力的です。
新規口座開設者以外を対象とする商品にも注目したいところです。「だんだん定期預金ワイド」は1年ものが年1.50%、通常の四国八十八カ所支店定期預金でも、300万円以上の1年ものは年1.45%となっています。
これらの金利から、愛媛銀行がインターネット支店による預金獲得に力を入れていることが分かります。
一方、新規口座開設限定定期預金は、口座開設日の翌々月末までといった申込期限が設けられています。口座を開設してから預金を申し込むまでの期間に注意が必要です。
前月は第2位でしたが、金利が年1.45%から年1.65%へ引き上げられたにもかかわらず、今回は第4位となりました。
これほどの金利上昇があっても順位を下げるところに、2026年10月の地方銀行の競争の激しさが表れていると感じます。
第3位 もみじ銀行|年1.80%
第3位は、広島県を主要な営業基盤とするもみじ銀行です。
もみじ銀行では、2026年10月2日から「YMFG設立20周年感謝キャンペーン定期預金」を開始しました。
1年ものの定期預金金利は年1.80%。さらに3年ものは年2.00%、5年ものは年2.20%という高い金利が設定されています。
1年ものについては、他金融機関から新たに預け替えた資金が対象となります。預入金額は1人10万円以上5,000万円以内で、窓口での申し込みが必要です。
募集総額は300億円、取扱期間は2026年12月30日までですが、募集総額に到達した場合は期間内でも終了します。
今回の商品で重要なのは、地方銀行の1年もの定期預金が年1.80%という水準に到達したことです。
地方銀行の預金金利は、少し前までは年1%を超えるだけでも目を引く存在でした。しかし、長期金利が3%台に乗せる環境では、預金金利の競争水準そのものが変わりつつあります。
一方、優遇金利が適用されるのは初回満期日までです。自動継続後は、その時点での店頭表示金利となります。
年1.80%という数字は魅力的ですが、長期間にわたって同じ条件が続くわけではないことを理解しておきましょう。
第2位 山口銀行|年1.80%
第2位は山口銀行です。
山口銀行でも、もみじ銀行と同じく「YMFG設立20周年感謝キャンペーン定期預金」を2026年10月2日から開始しています。
1年ものの特別金利は年1.80%、3年ものは年2.00%、5年ものは年2.20%です。
募集総額は500億円となっており、もみじ銀行の300億円を上回る募集枠が用意されています。
預入金額は1人10万円以上5,000万円以内で、1年ものは他金融機関からの預け替え資金が対象です。また、申し込みは原則として対象店舗の窓口に限られます。
山口銀行を第2位とした理由は、同一金利の商品を提供する銀行のなかで募集規模が比較的大きく、幅広い預金需要を受け入れる姿勢がみられるためです。
今回のキャンペーンは、山口銀行だけの独立した取り組みではありません。同じ山口フィナンシャルグループに属する銀行が、それぞれ高金利の定期預金を提供している点が重要です。
これは、地方銀行が地域単位の預金獲得競争から、グループ全体で預金基盤を強化する段階に移行していることを示しているようにも感じます。
なお、3年ものや5年ものを利用する場合は、資金が長期間固定されることになります。今後さらに金利が上昇したとしても、原則として契約時の金利が適用されるため、預入期間は慎重に選びたいところです。
第1位 北九州銀行|年1.80%
2026年10月の地方銀行定期預金金利ランキング第1位は、北九州銀行です。
北九州銀行でも、2026年10月2日から「YMFG設立20周年感謝キャンペーン定期預金」が始まりました。
1年ものの金利は年1.80%、3年ものは年2.00%、5年ものは年2.20%となっています。
今回の1位から3位までは同じ山口フィナンシャルグループに属しており、1年ものの金利も同率です。北九州銀行を第1位としたのは、金利の高さに加え、預入上限や利用条件を考慮した当サイト独自の評価によるものです。
北九州銀行の募集総額は300億円。預入金額は1人10万円以上1億円以内となっており、山口銀行やもみじ銀行よりも大きな金額を預け入れられることが特徴です。
ただし、1年ものはグループ会社を除く他金融機関からの預け替え資金が条件となります。スマート支店は対象外であり、店頭窓口での手続きが必要です。
今回の商品を利用して1,000万円を年1.80%で1年間預け入れた場合、税引前の利息は180,000円、税引後では概算143,433円となります。
定期預金でも、預入金額と金利によっては年間10万円を超える利息が得られる時代になりました。
もっとも、北九州銀行には預入上限が1億円という特徴がある一方、預金保険制度によって保護される元本は、原則として1金融機関につき1人1,000万円までとその利息です。大きな資金を預け入れる際には、預金保険の保護範囲も考慮する必要があります。
前月までは地方銀行のインターネット支店がランキング上位の中心でしたが、10月は地域の店舗網を持つ銀行グループが高金利キャンペーンで存在感を示しました。
この変化は、今後の地方銀行の預金獲得競争を考えるうえでも重要な動きといえるでしょう。
2026年10月 地方銀行の定期預金金利ランキング一覧
ここまで紹介した地方銀行の1年もの定期預金について、1位から10位までまとめました。
| 順位 | 銀行名 | 主な商品・キャンペーン | 1年もの金利 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 北九州銀行 | YMFG設立20周年感謝定期預金 | 1.80% |
| 2位 | 山口銀行 | YMFG設立20周年感謝定期預金 | 1.80% |
| 3位 | もみじ銀行 | YMFG設立20周年感謝定期預金 | 1.80% |
| 4位 | 愛媛銀行 | 新規口座開設限定定期預金 | 1.65% |
| 5位 | 香川銀行 | 超金利トッピング定期預金 | 1.60% |
| 6位 | 徳島大正銀行 | ネット支店スーパーとくとく定期預金 | 1.40%※ |
| 7位 | 七十七銀行 | 「実りの秋!」定期預金 | 1.30% |
| 8位 | 大光銀行 | 正三尺玉定期預金 | 1.30% |
| 9位 | 島根銀行 | ステップアップちいかつ定期Ⅲ | 1.15% |
| 10位 | 足利銀行 | めぶきFG創立10周年記念定期預金 | 1.10% |
※2026年10月9日時点で確認した各金融機関の公表情報をもとに作成。金利は税引前の年利であり、特別金利には初回預入期間のみのものが含まれます。徳島大正銀行の年1.40%は当月の公式情報で再確認できていないため、暫定掲載です。同率の場合は預入条件、預入限度額、募集規模などを考慮した独自順位であり、同率商品の金利面に優劣はありません。
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2026年10月の地方銀行の定期預金金利はどう変わった?
9月末のキャンペーン終了でランキングが大きく変化
2026年10月のランキングで最も印象的だったのは、9月まで上位だった地方銀行の顔ぶれが大きく変化したことです。
9月末には、横浜銀行や静岡銀行、百五銀行などで実施されていた高金利キャンペーンが終了しました。一方、10月に入ると山口フィナンシャルグループの3行が年1.80%の定期預金を打ち出し、足利銀行でも新たなキャンペーンが始まりました。
前月までは、インターネット支店を通じて全国から預金を集める銀行が上位の中心でした。しかし今月は、店頭窓口で新規資金を獲得する銀行の存在感が高まっています。
預金金利の競争は、ネット銀行と地方銀行のネット支店だけのものではなくなりました。地方銀行の店舗網そのものが、預金獲得競争の重要な舞台になり始めています。
個人向け国債の金利がすべて2%を突破した意味
2026年10月募集の個人向け国債は、変動10年が年2.05%、固定5年が年2.39%、固定3年が年2.07%となりました。
個人向け国債の3種類すべてで金利が2%を超えたことは、定期預金市場にも少なからず影響を与える可能性があります。
特に固定3年や固定5年の国債は、比較的長い期間にわたって安定した利息を受け取りたい人にとって、地方銀行の定期預金と比較されやすい商品です。
もちろん、定期預金と個人向け国債では中途解約・中途換金の条件が異なります。個人向け国債は原則として発行後1年間は換金できず、その後の中途換金でも一定の利子相当額が差し引かれます。
ただ、預金者の選択肢が増えることは確かです。地方銀行が預金を獲得し続けるためには、金利だけでなく利便性や相談サービスを含めた魅力を提供する必要があるでしょう。
地方銀行にはネット銀行やメガバンクにはないメリットがある
地域密着型の金融サービスと対面相談
金利だけで金融機関を比較すると、どうしてもネット銀行の存在感が強くなります。しかし、地方銀行には別の魅力もあります。
最大の特徴は、地域の生活や事業活動に密着したサービスを提供していることです。
地方銀行は住宅ローンや教育ローン、相続、資産承継、事業資金の相談など、地域住民や企業のさまざまな金融ニーズに対応しています。
特に高齢者や金融商品に詳しくない人にとって、近くの店舗で担当者に相談できることは大きな安心材料になります。
また、地域の自治体や商工団体、地元企業と連携した取り組みも地方銀行ならではの特徴です。足利銀行の県産品プレゼントのように、預金商品を地域経済の活性化につなげるサービスにも独自性があります。
中小企業や個人事業主との長年の取引関係
地方銀行のもう一つの重要な役割は、地域の中小企業や個人事業主を支えることです。
地域企業の資金繰り相談、設備投資、事業承継、経営改善などは、単純な預金金利の比較だけでは評価できない分野です。
経営者にとっては、預金口座と融資取引、経営相談を一つの銀行に集約できるメリットもあります。
金融サービスのデジタル化が進む一方で、地域の事情を理解した担当者による支援は、今後も重要な役割を担うでしょう。
金利上昇は地方銀行にとって良いことばかりではない
中小企業の倒産・廃業リスクが地方銀行の経営に影響
預金者にとって金利上昇は歓迎すべき変化ですが、地方銀行の経営にとっては必ずしも良いことばかりではありません。
地方では人口減少や人手不足、原材料費の上昇などによって、中小企業や小規模事業者が厳しい経営環境に置かれています。
そこに融資金利の上昇が重なれば、借入金の返済負担はさらに増加します。
特に利益率が低い企業や借入依存度の高い個人事業主にとって、わずかな金利上昇でも資金繰りに与える影響は無視できません。
今後、倒産や廃業が増加すれば、地方銀行では貸倒引当金の積み増しや信用コストの増加につながる可能性があります。
一方、貸出金利が上昇すれば銀行の利息収入が増える側面もあります。つまり、地方銀行にとって重要なのは、金利上昇による収益増加と、融資先の経営悪化による損失増加のバランスです。
債券の巨額含み損にも注意が必要
地方銀行の経営を考えるうえで、もう一つ見逃せないのが債券運用の問題です。
日本の長期金利が上昇すると、一般的に既に発行されている固定利付債券の市場価格は下落します。
過去の低金利時代に購入した長期国債や地方債などを大量に保有している銀行では、金利上昇によって債券の評価損が拡大する可能性があります。
もちろん、債券の含み損が直ちに銀行の経営破綻につながるわけではありません。会計上の分類や満期までの保有方針、資本の厚さ、流動性などによって影響は異なります。
しかし、預金金利を引き上げて資金を集める一方、保有債券の評価損が拡大する状況は、銀行の財務運営を難しくする要因です。
預金者としては、高金利という魅力だけでなく、金融機関の健全性にも関心を持っておきたいところです。
10月以降はどうなる?当サイトが考える今後の地方銀行定期預金
年内の追加利上げが実施されれば、預金金利は一段と上昇する可能性
当サイトでは、2026年10月以降も地方銀行の定期預金金利は上昇方向で推移する可能性があると考えています。
日本銀行は9月に政策金利を1.25%程度へ引き上げました。今後の物価や賃金、景気の状況によっては、年内にもう一段の利上げが実施される可能性もあります。
追加利上げが実施されれば、地方銀行の通常の店頭金利にも引き上げ圧力がかかるでしょう。
ただし、政策金利が上昇したからといって、すべての銀行が同じ幅で預金金利を引き上げるわけではありません。
預金を十分に確保できている銀行と、新たな預金を積極的に集めたい銀行では、金利設定に差が生じる可能性があります。
当サイトでは今後、預金残高を拡大したい地方銀行を中心に、年1.80%以上の1年もの定期預金がさらに登場する展開も考えられるとみています。ただし、これは市場環境からの予測であり、実際の金利引き上げを保証するものではありません。
1年ものと3年・5年もの、どちらを選ぶべきか
現在のような金利上昇局面では、預入期間の選択も重要になります。
今後さらに金利が上昇すると考える場合には、1年ものなど比較的短い期間の定期預金を利用し、満期後に新しい金利で預け直す方法があります。
一方、金利上昇がいずれ落ち着くと考える場合には、3年ものや5年ものの固定金利を早めに確保する方法も考えられます。
ただし、長期の定期預金は途中で解約すると優遇金利が適用されないことが多いため、生活費や急な支出に備える資金まで預け入れることは避けたいところです。
個人的には、今のような金利上昇局面では、資金を一度に長期間固定するよりも、預入期間を分散させる考え方に合理性があるとみています。
例えば、余裕資金を1年・3年・5年ものへ分けて預け入れれば、今の金利を一部確保しながら、将来の金利変化にも対応しやすくなります。
今後は銀行グループ単位の高金利競争が進む可能性
今回のランキングでは、山口フィナンシャルグループの3行が年1.80%で上位を占めました。
この動きは、地方銀行の高金利競争が新しい段階に入ったことを示しているように思います。
これまでは、インターネット支店の開設記念や期間限定キャンペーンが中心でした。しかし今後は、銀行グループ全体の周年記念や顧客基盤の拡大を目的とした大規模キャンペーンが増える可能性があります。
ただし、その競争には限界もあります。
預金金利を引き上げれば、銀行が負担する利息も増えます。地方銀行の経営環境が厳しさを増すなか、利益を圧迫するほどの高金利競争を続けることは簡単ではありません。
今後は、預金量を増やす銀行と収益性を重視する銀行の間で、金利水準の差がさらに広がっていくかもしれません。
まとめ|地方銀行の定期預金は年1.80%へ、今後の金利競争に注目
2026年10月の地方銀行定期預金金利ランキングでは、北九州銀行、山口銀行、もみじ銀行が年1.80%で上位に入りました。
愛媛銀行も1年ものを年1.65%へ引き上げ、香川銀行の年1.60%も引き続き高い水準を維持しています。
長期金利が3%台に乗せ、個人向け国債の金利が3種類すべてで2%を超えたことで、預金者が金融商品を比較する基準は確実に変わり始めています。
一方、地方銀行には中小企業の信用リスクや債券の評価損、人口減少による地域経済の縮小といった課題もあります。
当サイトでは、今後も金利だけではなく、地域金融機関の経営環境や金融政策の動向を含めて地方銀行の定期預金市場を分析していきたいと考えています。
2026年10月は、地方銀行の定期預金が単なる低リスクの貯蓄手段から、金融機関ごとの条件を積極的に比較して選ぶ時代へ移りつつあることを強く感じさせる月となりました。
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出典・参考資料
本記事は、2026年10月時点で各金融機関などが公表している情報をもとに作成した情報提供を目的とするものであり、特定の金融商品や金融機関への申込み・契約・投資を推奨するものではありません。定期預金の金利、キャンペーン内容、預入条件、対象者、取扱期間などは変更または終了する場合があります。実際に利用する際は、必ず各金融機関の公式サイトや窓口で最新情報をご確認ください。また、本記事にはAmazonアソシエイト・プログラムを利用した商品紹介リンクが含まれる場合があります。
金融商品やサービスの利用については、ご自身の資金状況や利用目的などを踏まえ、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。