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2026年9月、年金受給者向けの定期預金は、夏のボーナスキャンペーンが一巡した後も高い金利水準を維持しています。
むしろ注目したいのは、7月・8月を境に金利を引き上げた金融機関が目立っていることです。愛知商銀信用組合では8月10日から年金定期預金「雅」の組合員向け1年ものを年1.80%とし、横浜幸銀信用組合も8月3日から組合員向け金利を年1.25%から年1.55%へ引き上げました。大阪商工信用金庫でも、4月時点で年1.10%だった年金定期が8月には年1.30%まで上昇しています。
背景にあるのは、日本全体の金利環境の変化です。2026年9月1日に行われた10年国債入札では、募入最高利回りが3.011%、平均利回りが2.995%となり、ついに3%を意識する水準まで上昇しました。日本銀行は7月31日の金融政策決定会合で政策金利の目安となる無担保コール翌日物を1.0%程度に据え置きましたが、1.25%への引き上げを主張した委員もおり、追加利上げ観測は消えていません。
今回は2026年9月8日時点で、地方銀行、信用金庫、信用組合が公式サイトで公表している年金受給者向け・年金受取指定者向けの定期預金を確認し、原則として1年ものの税引前金利で比較しました。早速ですが、第10位から見ていきましょう。
- 1 【10位→1位】2026年9月 年金受給者向け定期預金金利ランキングTOP10
- 2 【2026年9月版】年金受給者向け定期預金金利ランキング一覧
- 3 7月・8月のボーナスキャンペーンから9月はどう動いた?
- 4 通常口座と年金受給者向け口座は何が違う?
- 5 100万円を年1.80%で1年間預けると利息はいくら?
- 6 年間利息シミュレーター
- 7 長期金利3%時代が定期預金に与える影響
- 8 日本銀行が追加利上げすれば年金定期はさらに上がる?
- 9 筆者の視点|9月以降、年金向け定期預金金利はどうなる?
- 10 年金受給者向け定期預金を選ぶ際の注意点
- 11 まとめ|9月は年金定期預金の「高金利定着」を確認する月に
- 12 出典・引用
【10位→1位】2026年9月 年金受給者向け定期預金金利ランキングTOP10
第10位 大阪商工信用金庫「年金定期」|年1.30%
第10位は、大阪商工信用金庫の「年金定期」です。1年ものの税引前金利は年1.30%。同行で国民年金、厚生年金、共済年金、恩給などの公的年金を継続して受け取っている人が対象で、1口20万円以上、合計5,000万円まで預け入れることができます。
注目したいのは金利の上昇幅です。2026年4月1日時点では年1.10%でしたが、8月1日時点では年1.30%となり、0.20ポイント上昇しました。夏のボーナスシーズンが終わる時期に年金定期の金利を引き下げるのではなく、むしろ高い水準に切り替えています。
また大阪商工信用金庫では、年金受取者向けに誕生日プレゼントや電話による健康相談などの「商工ねんきん倶楽部」のサービスがあるほか、大阪府内の信用金庫ATMでは時間外手数料が無料となるサービスもあります。年金受取口座は金利だけでなく、日常的な使いやすさまで含めて比較したいところです。
第9位 朝銀西信用組合「年金定期預金 悠悠」|年1.50%
第9位は、朝銀西信用組合の「年金定期預金 悠悠」です。1年ものは年1.50%で、取扱期間は2026年4月1日から2027年3月31日までとなっています。
対象となるのは、朝銀西信用組合で年金を受け取っている個人組合員です。預入金額は10万円以上1,000万円まで。最近の高金利定期預金では「新規資金限定」という条件をよく見かけますが、悠悠は新規預入だけでなく、継続や既存定期預金からの預け替えにも対応しています。
年1.50%という金利だけでなく、すでに同組合を利用している年金受給者にとって資金を移動させやすいことが特徴です。夏限定の商品ではなく2027年3月末までの取扱予定となっているため、9月以降も比較的利用を検討しやすい商品でしょう。
第8位 近畿産業信用組合「きんさん年金定期預金」|年1.50%
第8位は、近畿産業信用組合の「きんさん年金定期預金」です。1年ものは税引前年1.50%。国民年金、厚生年金、共済年金を同組合で受け取っている個人が対象となります。預入金額は50万円以上1,000万円までです。
この商品の良いところは、一時的な夏のボーナスキャンペーンというより「年金を継続して受け取っている顧客」に対する優遇商品として設計されている点です。満期時にも年金受取条件を満たし、商品が継続していれば、その時点の「きんさん年金定期預金」の募集金利で自動継続されます。
近畿産業信用組合では通常の定期預金や地域限定キャンペーンも高金利化していますが、年金受取だけで年1.50%を狙えることは大きな特徴です。年金を生活口座に入れながら、使わない資金を定期預金へ振り分けたい人とは相性が良い商品といえます。
第7位 鳥取信用金庫「地域感謝年金優遇定期預金」|年1.50%
第7位は、鳥取信用金庫の「地域感謝年金優遇定期預金」です。1年ものは年1.50%で、2026年6月24日から10月30日まで実施されている「地域感謝キャンペーン」の一つです。
対象は、キャンペーン期間中に公的年金の受取口座を新たに鳥取信用金庫へ指定する人、または他の金融機関から年金受取口座を変更する人です。預入金額は1口10万円以上500万円以下で、1人500万円までとなっています。
既存の年金受取者なら無条件で利用できる商品ではなく、「これから鳥取信用金庫へ年金口座を移す人」を強く意識した商品です。この点は非常に重要です。地域金融機関にとって年金口座は、2カ月に1回継続して資金が入ってくる長期的な取引につながりやすいため、通常の定期預金以上の金利を付けてでも獲得したい顧客層になっていると私は見ています。
第6位 大同信用組合「自動継続型年金定期預金」|年1.525%
第6位は、大同信用組合の「自動継続型年金定期預金」です。1年ものの税引前金利は年1.525%。今回のランキングでは少し珍しい小数点以下3桁の金利設定となっています。
対象は、すでに大同信用組合で公的年金を受け取っている人、または新たに年金受取手続きを完了し、半年以内に受取開始となる個人です。預入限度額は総額2,000万円となっています。公式サイトでは2026年1月5日以降、年1.525%が案内されています。
年1.50%の金融機関が増えてきた現在でも、それをわずかに上回る年1.525%を維持していることがポイントです。一方、預入期間中に本人の都合で年金振込口座を他行へ変更した場合などは、優遇金利ではなく所定のスーパー定期金利が適用される場合があります。年金口座を長期間維持するつもりなのかを考えて利用したい商品です。
第5位 横浜幸銀信用組合「年金定期預金」|年1.55%
第5位は、横浜幸銀信用組合の「年金定期預金」です。組合員の場合は1年もの年1.55%、非組合員でも年1.45%。預入金額は10万円以上1,000万円以下となっています。
7月・8月からの動きを見るうえで、私が特に注目している金融機関です。横浜幸銀信用組合は2026年8月3日から年金定期預金を改定し、組合員は年1.25%から年1.55%へ、非組合員も年1.15%から年1.45%へ、それぞれ0.30ポイント引き上げました。夏のボーナスキャンペーンが終盤を迎える時期に、これだけ大きな引き上げを実施したことは象徴的です。
さらに、年金定期の利用者はATM利用手数料について月5回まで実質無料となるサービスがあります。単純な定期預金金利だけでなく、「年金の入金→現金の引き出し→余剰資金を定期預金へ」という一連の生活口座としての利便性を意識した商品設計になっています。
第4位 京滋信用組合「シニア・ライフPLUS」|最大年1.60%
第4位は、京滋信用組合の年金定期預金「シニア・ライフPLUS」です。新たに京滋信用組合を公的年金の受取口座に指定する場合、1年ものは年1.60%。すでに同組合で年金を受け取っている人についても年1.55%となっています。
預入金額は10万円以上3,000万円までで、新規・増口のニューマネーが対象です。最高金利の年1.60%を利用するには年金受取口座の新規指定などの条件がありますので、すでに年金を受け取っている人は「自分に適用される金利」を窓口で確認した方がよいでしょう。
そして9月版で最も注意したいのが取扱期限です。現行のシニア・ライフPLUSは2026年9月30日まで。10月以降、同じ商品を延長するのか、金利を変更するのか、新しい年金定期へ切り替えるのかは今後の注目点になります。私はここが10月ランキングの大きな変動要因になると考えています。
第3位 あすか信用組合「プラチナ定期預金」|年1.60%
第3位は、あすか信用組合の「プラチナ定期預金」です。満60歳以上で、あすか信用組合から年金を受け取り、さらに組合員となっている人を対象に、1年もの年1.60%が設定されています。
預入金額は100万円以上1,000万円までで、取扱期間は2027年3月31日まで。京滋信用組合と最高金利は同じ年1.60%ですが、あすか信用組合では既存の年金受給者でも条件を満たせば年1.60%となるため、今回はこちらを上位としました。
ここまで来ると、一般的な定期預金との金利差はかなり大きくなります。100万円を年1.60%で1年間預ければ税引前利息は16,000円です。金利がほぼゼロだった時代を知っている年金世代からすると、定期預金が再び「金利を比較して選ぶ金融商品」になったことを実感できる水準でしょう。
第2位 ハナ信用組合「年輪」|最高年1.70%
第2位は、ハナ信用組合の定期預金「年輪」です。基本金利は年1.50%ですが、組合員なら0.10%、さらにハナ信用組合で年金を受け取っている場合は0.10%が加算されるため、最高年1.70%となります。
対象は満60歳以上の個人で、預入金額は10万円以上1,000万円以内。組合員かつ年金受取という条件を満たした場合の年1.70%は、2026年9月時点でも全国トップクラスです。
基本金利そのものが年1.50%あるため、条件を一つ満たせなかっただけで大幅に金利が低下する商品ではないところも特徴です。ただし信用組合には営業地区があり、ハナ信用組合の場合は東京、神奈川、千葉、埼玉など関東を中心に、新潟、長野まで営業地区が設定されています。自分が組合員資格を満たせるかを先に確認しておきましょう。
第1位 愛知商銀信用組合「年金定期預金 雅」|年1.80%
2026年9月の第1位は、愛知商銀信用組合の「年金定期預金 雅」です。
1年ものの税引前金利は組合員が年1.80%、非組合員でも年1.60%。預入金額は1口10万円以上1,000万円以内で、新規預入資金が対象です。取扱期間は2026年8月10日から2027年3月31日までとなっています。
8月版からの最大の変化もここです。8月10日から新しい条件で販売され、組合員向け金利が年1.80%まで上昇しました。7月のボーナス時期が終わった後に最高水準を引き上げていることからも、2026年の預金金利競争が夏で終わっていないことが分かります。
ただし年1.80%を利用するには組合員資格が必要です。愛知商銀信用組合では、愛知県または三重県に居住・勤務している人などが組合員となることができ、出資も必要になります。また、新規資金限定である点にも注意してください。金利だけを見るのではなく、自分が適用条件を満たすかまで確認して初めて「年1.80%の商品」と考えるべきでしょう。
【2026年9月版】年金受給者向け定期預金金利ランキング一覧
| 順位 | 金融機関 | 商品名 | 1年もの金利・税引前 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 愛知商銀信用組合 | 年金定期預金 雅 | 1.80% |
| 2位 | ハナ信用組合 | 年輪 | 最高1.70% |
| 3位 | あすか信用組合 | プラチナ定期預金 | 1.60% |
| 4位 | 京滋信用組合 | シニア・ライフPLUS | 最高1.60% |
| 5位 | 横浜幸銀信用組合 | 年金定期預金 | 1.55% |
| 6位 | 大同信用組合 | 自動継続型年金定期預金 | 1.525% |
| 7位 | 鳥取信用金庫 | 地域感謝年金優遇定期預金 | 1.50% |
| 8位 | 近畿産業信用組合 | きんさん年金定期預金 | 1.50% |
| 9位 | 朝銀西信用組合 | 年金定期預金 悠悠 | 1.50% |
| 10位 | 大阪商工信用金庫 | 年金定期 | 1.30% |
同率の場合は、対象者、最低預入金額、新規資金条件、既存の年金受給者への適用可否、取扱期間などを踏まえて当サイト独自の順位を付けています。なお、地方銀行も比較対象としていますが、今回確認した1年ものの上位10商品は信用金庫・信用組合が占める結果となりました。
一例として北陸銀行の年金定期預金は2026年8月14日時点で年0.80%です。地方銀行でも年金優遇金利は上昇していますが、信用組合を中心とする上位グループとはまだ差があります。
7月・8月のボーナスキャンペーンから9月はどう動いた?
「夏が終われば金利も下がる」という流れにはなっていない
例年、6月から8月は夏のボーナスを取り込むため、定期預金キャンペーンが増えやすい時期です。そのため9月に入ると、期間限定金利が終了して預金金利ランキング全体が少し低下することもあります。
ところが2026年は様子が違います。愛知商銀信用組合は8月10日から年1.80%、横浜幸銀信用組合は8月3日から年1.55%へ引き上げ、大阪商工信用金庫も4月の年1.10%から8月には年1.30%となりました。鳥取信用金庫の年1.50%キャンペーンも10月30日まで続きます。
私には、9月は「夏の高金利キャンペーンが終わる月」というより、「夏に上昇した預金金利がどこまで定着するかを見る月」に変わってきたように見えます。
特に年金口座は、金融機関からすると一度獲得すると長期的な取引につながりやすい口座です。そのため一時的なボーナス資金以上に、高い優遇金利を付けてでも年金受取口座を獲得しようとする動きが続く可能性があります。
通常口座と年金受給者向け口座は何が違う?
金利だけでなくATMや生活支援サービスにも差がある
年金受給者向け口座の最大の特徴は、普通預金口座を年金の振込先に指定することで、専用の優遇定期預金を利用できることです。
例えば大阪商工信用金庫では、誰でも利用できる「スーパーゴールド」の1年ものが年0.70%なのに対し、年金定期は年1.30%です。一方、アプリ定期は1年もの年1.30%ですから、「年金受取口座だから必ずその金融機関で最も高い」というわけではありません。
ここは以前と比べて重要な変化です。インターネット支店やアプリ専用定期の金利が上がってきたため、純粋に金利だけを求めるなら年金口座を変更しなくても同等以上の商品が見つかる場合があります。
それでも年金受取口座には別のメリットがあります。横浜幸銀信用組合ではATM利用手数料が月5回まで実質無料、大阪商工信用金庫ではATM時間外手数料の優遇に加えて誕生日プレゼントや健康相談などが用意されています。
年金受取口座は毎月の生活費を管理する「生活口座」でもあります。私なら0.10%や0.20%の金利差だけで判断するのではなく、ATMの場所、手数料、窓口への行きやすさ、定期預金の金利まで含めて総合的に比較します。
100万円を年1.80%で1年間預けると利息はいくら?
年1.80%の定期預金へ100万円を1年間預けた場合、単純計算した税引前利息は18,000円です。
預金利息には原則として20.315%の税金がかかるため、税引後の受取利息は概算で約14,343円となります。年1.50%なら約11,953円、年1.30%なら約10,359円です。預金額が500万円なら差も5倍になるため、0.1~0.2ポイントの金利差でも無視できなくなってきました。預金利息への課税については各金融機関の公式商品説明にも20.315%と記載されています。
ただし、一般の定期預金や利息の付く普通預金は、預金保険制度によって1金融機関につき預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等が保護されます。高金利だからといって一つの金融機関へ資金を集中させるのではなく、預金保険制度の範囲も意識しておきたいところです。
年間利息シミュレーター
預入金額と金利を入力すると、1年間の利息を自動計算します。
長期金利3%時代が定期預金に与える影響
10年国債でも3%を意識するところまで上昇
2026年9月1日の10年利付国債入札では、募入最高利回りが3.011%、平均利回りも2.995%となりました。表面利率も年2.7%です。数年前の日本では考えにくかった金利水準です。
もちろん国債利回りが3%になったからといって、銀行の1年定期預金がすぐ3%になるわけではありません。預金金利は、それぞれの金融機関の資金需要、貸出状況、預金獲得方針などによって決まります。
しかし、市場金利全体が上昇すれば「年0.5%程度の定期預金で十分に資金を集められる」という環境ではなくなってきます。実際に信用組合を中心として年1.5~1.8%の商品が増えていることからも、地域金融機関の預金獲得競争が一段上の水準へ移り始めていると考えています。
日本銀行が追加利上げすれば年金定期はさらに上がる?
政策金利1.0%の次が意識され始めている
日本銀行は2026年7月31日の金融政策決定会合で、無担保コール翌日物を1.0%程度で推移させる方針を決定しました。一方、委員1人は1.25%程度への引き上げを提案しています。提案自体は否決されていますが、日銀内部でも一段の利上げを意識する議論が出ていることは確認できます。
仮に今後政策金利が1.25%へ引き上げられ、市場金利も高い状態が続けば、普通預金、定期預金ともに追加的な金利引き上げが行われる可能性があります。
その場合、特に注目したいのが年金定期です。年金振込は安定した預金残高につながりやすいため、金融機関が新規顧客を獲得するために通常定期より大きな優遇幅を設定する余地があります。現在の年1.80%が「かなり高い金利」ではあるものの、これが今回の金利上昇局面の最終到達点だと決めつけるのはまだ早いと私は考えています。
筆者の視点|9月以降、年金向け定期預金金利はどうなる?
秋から冬にもう一段の金利競争が起こる可能性
私が9月以降に注目しているのは、9月末で終了するキャンペーンが10月にどのような条件で更新されるかです。
特に京滋信用組合の「シニア・ライフPLUS」は9月30日までです。ここで単純に終了するのか、年1.60%前後を維持して延長するのか、あるいは市場金利上昇を受けてさらに条件を変更するのか。10月の年金定期ランキングを見るうえで重要なポイントになるでしょう。
さらに11月から12月には冬のボーナスキャンペーンが始まります。今後も10年国債利回りが3%前後で推移し、日銀の追加利上げ観測が強まれば、夏より高い条件を打ち出す金融機関が出てきても不思議ではありません。
そのため、当サイトとしては預金資金の全額を一度に3年・5年の固定金利へ預けてしまうより、1年ものを中心に資金を分散し、今後の金利改定にも対応できる状態を残しておく考え方は十分に合理的だと見ています。
一方で、年1.80%まで来た1年定期を「もっと上がるかもしれない」と待ち続ける必要もないでしょう。生活資金や急な出費に備える資金を普通預金に残したうえで、当面使わない資金の一部を現在の高金利定期へ振り分ける方法があります。
年金世代の場合、金利だけを追いかけて2カ月ごとに振り込まれる年金口座そのものを何度も変更するのは、必ずしも使いやすいとは限りません。0.1%の差だけを見るのではなく、「預金金利+ATM+店舗+年金サービス」を一つのセットとして見ることが、これからの年金口座選びでは重要になってくると思います。
年金受給者向け定期預金を選ぶ際の注意点
年1.50%や年1.80%という数字だけを見て申し込むのではなく、組合員資格、営業区域、公的年金の種類、新規資金の条件、最低預入金額、預入限度額を必ず確認してください。信用組合では住所や勤務先によって組合員になれない場合もあります。
また「初回1年間だけ特別金利」という商品と、「満期後もその時点の年金定期金利で自動継続される商品」では長期的な使い勝手が違います。鳥取信用金庫の地域感謝年金優遇定期預金では、自動継続後はスーパー定期の店頭表示金利となります。一方、近畿産業信用組合では条件を満たして商品が継続していれば、その時点の年金定期金利で自動継続されます。
年金受取口座の変更まで必要な商品については、「最初の1年間の金利」だけではなく、2年目以降もその金融機関を生活口座として使いたいかまで考えて選ぶことをおすすめします。
まとめ|9月は年金定期預金の「高金利定着」を確認する月に
2026年9月の年金受給者向け定期預金ランキングでは、愛知商銀信用組合の年1.80%を筆頭に、ハナ信用組合が最高年1.70%、あすか信用組合と京滋信用組合が最高年1.60%となりました。年1.50%以上の商品が上位に並び、数年前とは定期預金を取り巻く環境が完全に変わっています。
7月・8月の夏のボーナスシーズンが終わっても、高金利商品が一斉に姿を消す状況にはなっていません。それどころか8月に金利を大きく引き上げた金融機関もあり、年金受取口座を巡る預金獲得競争は続いています。
そして9月には10年国債入札で3%を超える利回りが確認され、政策金利についても次の引き上げを意識する段階へ入っています。
私が今後特に注目したいのは10月のキャンペーン更新と、11~12月の冬のボーナス金利です。市場金利が現在の水準を維持するなら、年金定期預金でも年1.5%台が珍しくなくなり、トップグループでは年2%を意識する競争へ近づく可能性もあります。
2026年は「定期預金はどこに預けてもほとんど同じ」という時代から、「金融機関と預け方によって受取利息に明確な差が出る」時代へ変わりつつあります。年金受給者にとっても、年金の振込先を単なる受取口座として考えるのではなく、老後資金全体を管理する金融機関として比較する価値が以前より大きくなっていると当サイトでは考えています。
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出典・引用
財務省「10年利付国債(第379回)入札結果」
財務省「10年利付国債(第379回)の入札発行」
日本銀行「当面の金融政策運営について(2026年7月31日)」
金融庁「預金保険制度」
本記事は、2026年9月時点で各金融機関などが公表している情報をもとに作成した情報提供を目的とするものであり、特定の金融商品や金融機関への申込み・契約・投資を推奨するものではありません。定期預金の金利、キャンペーン内容、預入条件、対象者、取扱期間などは変更または終了する場合があります。実際に利用する際は、必ず各金融機関の公式サイトや窓口で最新情報をご確認ください。また、本記事にはAmazonアソシエイト・プログラムを利用した商品紹介リンクが含まれる場合があります。
金融商品やサービスの利用については、ご自身の資金状況や利用目的などを踏まえ、最終的な判断はご自身の責任で行ってください。