年金を受け取りながら、手元資金を少しでも有利に運用したい方にとって、「年金受給者向け定期預金」は注目したい選択肢です。
近年は日本国内の金利環境が変化し、普通預金や定期預金の金利も少しずつ見直されるようになりました。その中でも、年金受給者向けの定期預金は、通常のスーパー定期よりも高い金利が設定されることがあり、年金受取口座を指定している方にとって使いやすい商品です。
この記事では、2026年6月時点で確認できる公式情報をもとに、メガバンク・地方銀行・信用金庫・信用組合を対象として、年金受給者向けの1年定期預金金利ランキングTOP10をまとめました。
ファイナンシャルプランナーの視点から、金利だけでなく、預入条件、預金保険制度、税引後利息、使い方のポイントまで分かりやすく解説します。
年金受給者向け定期預金とは
年金受給者向け定期預金とは、金融機関で公的年金を受け取っている方、または新たに年金受取口座を指定する方を対象にした定期預金です。
通常の定期預金と比べて、金利が上乗せされている商品が多く、1年ものを中心に設定されているケースが目立ちます。対象となる年金は、国民年金、厚生年金、共済年金などの公的年金が中心です。
一方で、企業年金、個人年金保険、確定拠出年金、確定給付企業年金などは対象外となる場合があります。金融機関ごとに条件が異なるため、申し込み前に公式ページや窓口で確認することが大切です。
年金受給者向け定期預金の魅力は、日常的に利用する年金受取口座とセットで、余裕資金を安定的に預けられる点にあります。まとまった資金を株式や投資信託に回すのは不安という方でも、定期預金であれば元本が確定しており、満期時の利息も計算しやすいのが特徴です。
ランキングの前提条件
今回のランキングは、以下の条件で比較しています。
・2026年6月時点で確認できる公式情報をもとに作成
・1年もの定期預金を対象
・税引前の年利で比較
・年金受取者向け、または年金受取口座指定者向けの商品を対象
・メガバンク、地方銀行、信用金庫、信用組合を横断して比較
・同率の場合は、商品内容や預入条件を踏まえて掲載
なお、金利は金融情勢により変更される場合があります。実際に預け入れる際は、必ず最新の金利と商品概要を金融機関の公式ページまたは窓口で確認してください。
【2026年6月版】年金受給者向け定期預金金利ランキングTOP10
| 順位 | 金融機関 | 商品名 | 1年金利 | 主な条件 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 信用組合 愛知商銀 | 年金定期預金「雅」 | 年1.60% | 組合員・公的年金受取等 |
| 2位 | 横浜幸銀信用組合 | 年金定期預金 | 年1.25% | 組合員・公的年金受取 |
| 3位 | 大阪商工信用金庫 | 年金定期 | 年1.10% | 年金受取者向け |
| 4位 | 播州信用金庫 | 年金定期預金 | 年1.00% | 年金受取者向け |
| 5位 | 中栄信用金庫 | なかしん年金定期預金Ⅰ | 年1.00% | 公的年金受取・変更予定者等 |
| 6位 | 兵庫県信用組合 | けんしん年金「悠々定期預金」 | 年0.80% | 公的年金等の受取者 |
| 7位 | 大分県信用組合 | やすらぎプラス | 年0.80% | 公的年金受取者限定 |
| 8位 | 北陸銀行 | 年金定期預金 | 年0.60% | 北陸銀行で年金受取 |
| 9位 | 東京信用金庫 | 年金専用定期預金「たのしみ」 | 最大年0.575% | 預入金額により上乗せ幅が異なる |
| 10位 | 伊予銀行 | しあわせ賛歌[2] | 年0.460%相当 | スーパー定期1年もの+年0.10% |
※伊予銀行は、2026年6月15日~6月21日時点の公式円預金金利におけるスーパー定期1年もの年0.360%に、しあわせ賛歌[2]の上乗せ年0.10%を加えた年0.460%相当として整理しています。
1位 信用組合 愛知商銀|年金定期預金「雅」
1位は、信用組合 愛知商銀の年金定期預金「雅」です。組合員向けの1年金利は年1.60%と、今回確認した年金受給者向け定期預金の中でも高い水準です。
利用できるのは、愛知商銀で公的年金を受け取っている個人、または新たに同組合で公的年金を受け取る方です。取扱金額は一口10万円以上1,000万円以内で、新規預入資金が対象となっています。
特に注目したいのは、組合員と非組合員で金利が異なる点です。組合員の場合は年1.60%、非組合員の場合は年1.00%となっており、条件を満たせる方にとっては魅力的な商品です。
信用組合は地域性が強い金融機関です。愛知商銀の場合、営業地区や組合員資格の確認が必要になります。利用を検討する際は、自分が対象地域や組合員条件に該当するかを確認しましょう。
仮に100万円を年1.60%で1年間預けた場合、税引前利息は16,000円です。税引後ではおおよそ12,749円となり、普通預金に置いておくよりも利息を実感しやすい水準です。
2位 横浜幸銀信用組合|年金定期預金
2位は、横浜幸銀信用組合の年金定期預金です。組合員向けの1年金利は年1.25%です。公的年金の受取口座を横浜幸銀信用組合に指定している方を対象とした商品で、年金受給者の資金管理をサポートする内容になっています。
預入期間は1年で、預入金額は10万円以上1,000万円以下です。組合員の場合は年1.25%、組合員ではない方の場合も年1.15%の金利が設定されており、どちらも年金受給者向け定期預金としては高めの水準です。
また、満期後は年金定期預金として自動継続される仕組みが用意されています。年金受取口座との連動性が高く、日常の資金管理と定期預金を一体で考えやすい点も特徴です。
100万円を年1.25%で1年間預けた場合、税引前利息は12,500円です。税引後ではおおよそ9,960円となります。まとまった資金を安定的に預けたい方にとって、候補に入れやすい商品です。
3位 大阪商工信用金庫|年金定期
3位は、大阪商工信用金庫の年金定期です。1年ものの金利は年1.10%です。大阪商工信用金庫で公的年金を継続的に受け取っている個人の方が対象となります。
預入金額は一口20万円以上で、預入期間は1年です。お預かり限度額は5,000万円と大きく、まとまった資金を管理したい方にも対応しやすい設計です。
大阪商工信用金庫は、地域密着型の金融機関として預金商品の選択肢が多く、年金定期のほかにもアプリ定期やシルバー定期などが用意されています。年金定期は、年金受取口座を同金庫にしている方に向けた優遇商品として位置づけられます。
100万円を年1.10%で1年間預けた場合、税引前利息は11,000円です。税引後ではおおよそ8,765円となります。1年という比較的短い期間で、満期後の見直しもしやすい商品です。
4位 播州信用金庫|年金定期預金
4位は、播州信用金庫の年金定期預金です。1年ものの固定金利は年1.00%です。播州信用金庫で年金を受け取る方を対象とした定期預金で、地域の年金受給者向けに分かりやすい商品設計になっています。
預入金額は10万円以上で、預入資格のある方は1人につき3,000万円まで預け入れできます。1年もののほか、3年ものも用意されていますが、今回のランキングでは1年ものを比較対象としています。
この商品は、預入期間を通じて播州信用金庫で年金を受け取ることが条件となります。満期時や自動継続時に資格を満たしているかどうかで適用金利が変わるため、年金受取口座を継続する予定の方に向いています。
100万円を年1.00%で1年間預けた場合、税引前利息は10,000円です。税引後ではおおよそ7,968円となります。1年定期としては分かりやすく、家計の予備資金を一定期間預ける用途にも合います。
5位 中栄信用金庫|なかしん年金定期預金Ⅰ
5位は、中栄信用金庫の「なかしん年金定期預金Ⅰ」です。1年ものの適用金利は年1.00%です。中栄信用金庫で公的年金の受け取りを開始している方、または新たに指定する方、他行から変更する方が対象です。
預入金額は1,000円以上100万円以内で、少額から始めやすい点が特徴です。1年・自動継続型の元金継続のみとなっており、満期時の利息は年金受取口座に入金されます。
預入上限は100万円以内と比較的コンパクトですが、少額から高めの金利を活用したい方には使いやすい商品です。年金受取口座を中栄信用金庫にしている方であれば、生活資金とは別に「使う予定のない資金」を定期預金に分ける選択肢になります。
100万円を年1.00%で1年間預けた場合、税引後利息はおおよそ7,968円です。預入上限いっぱいまで活用する場合でも、管理しやすい金額感といえます。
6位 兵庫県信用組合|けんしん年金「悠々定期預金」
6位は、兵庫県信用組合のけんしん年金「悠々定期預金」です。適用金利は年0.80%です。兵庫県信用組合で公的年金・共済年金を受け取っている方を対象とした1年ものの定期預金です。
預入限度額は1,000万円で、スーパー定期1年ものまたは大口定期1年ものとして取り扱われます。店頭表示金利の変動にかかわらず、取扱期間中は年0.80%の金利が設定される点が特徴です。
利用条件には、兵庫県内に住所または居所がある方、兵庫県内で事業をしている方、兵庫県内で勤務している方など、地域金融機関らしい条件があります。対象地域に該当する方は確認しておきたい商品です。
100万円を年0.80%で1年間預けた場合、税引前利息は8,000円です。税引後ではおおよそ6,374円となります。日常の資金を近くの信用組合で管理したい方にとって、使いやすい選択肢です。
7位 大分県信用組合|やすらぎプラス
7位は、大分県信用組合の公的年金受給者特別金利定期預金「やすらぎプラス」です。特別優遇金利は年0.80%です。
大分県信用組合で公的年金を受け取っている方が対象で、本商品への預入と同時に受給口座を変更することも可能です。預入期間は1年で、預入金額は1口50万円以上1,000万円未満です。
この商品は、新たな資金を対象とした商品で、すでに預け入れている定期預金の切替や預け替えには利用できない点に注意が必要です。新しく資金を預ける予定がある方にとって、年0.80%の特別金利は魅力的です。
100万円を年0.80%で1年間預けた場合、税引後利息はおおよそ6,374円です。募集期間が設定されているため、利用を検討する場合は取扱期間も確認しましょう。
8位 北陸銀行|年金定期預金
8位は、北陸銀行の年金定期預金です。1年間の特別金利は年0.60%です。北陸銀行で国民年金、厚生年金、共済年金を受け取っている方、または新しく年金自動受取を開始する方が対象です。
北陸銀行の年金定期預金は、地方銀行の商品として上位に入っています。信用金庫や信用組合だけでなく、地方銀行でも年金受給者向けの商品が用意されている点は注目できます。
預入期間中は、北陸銀行で年金を受け取り続けることが条件です。また、店頭での手続きが必要で、インターネットバンキングでは取り扱いがありません。
100万円を年0.60%で1年間預けた場合、税引前利息は6,000円、税引後ではおおよそ4,781円です。メインバンクとして北陸銀行を利用している方にとっては、年金受取と定期預金をまとめて管理しやすい商品です。
9位 東京信用金庫|年金専用定期預金「たのしみ」
9位は、東京信用金庫の年金専用定期預金「たのしみ」です。預入金額により上乗せ幅が異なり、100万円までの部分は最大年0.575%となります。
この商品は、東京信用金庫で公的年金を受け取っている方、または新たに年金受取手続きをした方が対象です。預入期間は1年で、預入金額は500円以上1,000万円以下です。
金利はスーパー定期預金の店頭表示金利に上乗せする方式です。100万円までの部分はプラス0.20%、900万円までの部分はプラス0.05%となっています。そのため、預入金額によって実際の利回りが変わります。
少額から預け入れできる点は使いやすく、年金受取口座と組み合わせて、生活資金とは別に管理する資金の置き場所として活用しやすい商品です。
100万円を最大年0.575%で1年間預けた場合、税引前利息は5,750円、税引後ではおおよそ4,581円です。首都圏で信用金庫をメインに使っている方に向いています。
10位 伊予銀行|しあわせ賛歌[2]
10位は、伊予銀行の年金受給者専用定期預金「しあわせ賛歌[2]」です。伊予銀行で公的年金を受け取っている方などを対象に、スーパー定期1年ものの店頭表示利率に年0.10%を上乗せする商品です。
2026年6月15日~6月21日時点の伊予銀行公式円預金金利では、スーパー定期1年ものは年0.360%です。そのため、しあわせ賛歌[2]の上乗せ後は年0.460%相当として整理できます。
預入期間は1年で、「しあわせ賛歌[1]」と合算して1人あたり10万円以上1,000万円以内です。年金受取口座を伊予銀行にしている方にとって、通常のスーパー定期よりも有利に預けられる仕組みです。
金利そのものは上位の信用組合・信用金庫より控えめですが、地方銀行としての利便性、店舗網、日常口座との連携を重視する方には検討しやすい商品です。年金の入金、生活費の管理、定期預金の預け替えを同じ銀行で行える点は、家計管理のしやすさにつながります。
100万円を年0.460%で1年間預けた場合、税引前利息は4,600円、税引後ではおおよそ3,665円です。
はじめに|信用金庫・信用組合の定期預金が見直されている理由 2026年6月現在、定期預金の金利は一時期に比べて大きく上昇しています。特に注目したいのが、地域密着型の金融機関である信用金庫・信用組合の定期預金です。 メガバンクや[…]
年金受給者向け定期預金を選ぶ3つのポイント
1. 金利だけでなく「対象条件」を確認する
年金受給者向け定期預金は、金利だけを見て選ぶのではなく、利用条件を確認することが大切です。
多くの商品では、金融機関で公的年金を受け取っていること、または新たに年金受取口座を指定することが条件になります。信用組合の場合は、組合員であること、営業地区内に住んでいること、勤務していることなどが条件になる場合もあります。
特に、組合員向け金利と非組合員向け金利が異なる商品では、実際に自分がどちらの金利を適用できるのかを確認しましょう。
2. 預入上限額を確認する
年金受給者向け定期預金には、預入上限額が設定されていることが多くあります。
たとえば、100万円まで、1,000万円まで、3,000万円まで、5,000万円までなど、金融機関ごとに条件はさまざまです。高金利の商品でも、預入上限が小さい場合は、実際に受け取れる利息も限られます。
一方で、預入上限が大きい商品は、退職金や相続資金、長年の貯蓄などをまとめて管理したい方に向いています。資金の目的に合わせて選ぶことが大切です。
3. 預金保険制度の範囲を意識する
定期預金は預金保険制度の対象となる商品が一般的です。定期預金や利息の付く普通預金などは、1金融機関ごとに預金者1人あたり元本1,000万円までとその利息等が保護されます。
年金受給者向け定期預金でまとまった金額を預ける場合は、同じ金融機関にある普通預金や他の定期預金も合算して考える必要があります。
1つの金融機関に大きくまとめる方法もありますが、預金保険制度を意識するなら、複数の金融機関に分ける考え方も有効です。これは「金融機関の分散」と呼ばれる考え方で、定期預金を安全性重視で運用するうえで重要なポイントです。
税引後利息の目安
定期預金の利息には、原則として20.315%の税金がかかります。内訳は、所得税および復興特別所得税15.315%、地方税5%です。
たとえば100万円を1年間預けた場合の税引後利息の目安は以下の通りです。
| 金利 | 税引前利息 | 税引後利息の目安 |
|---|---|---|
| 年1.60% | 16,000円 | 約12,749円 |
| 年1.25% | 12,500円 | 約9,960円 |
| 年1.10% | 11,000円 | 約8,765円 |
| 年1.00% | 10,000円 | 約7,968円 |
| 年0.80% | 8,000円 | 約6,374円 |
| 年0.60% | 6,000円 | 約4,781円 |
| 年0.575% | 5,750円 | 約4,581円 |
| 年0.460% | 4,600円 | 約3,665円 |
金利が上がるほど利息は増えますが、定期預金は「大きく増やす商品」というよりも、「元本を守りながら、確定した利息を受け取る商品」と考えると分かりやすいです。
年金生活における定期預金の使い方
年金生活では、資産を大きく増やすことだけでなく、「必要な時に使えるお金を確保すること」が重要です。
そのため、すべての資金を長期運用に回すのではなく、生活費、予備費、定期預金、投資資金のように目的別に分けることが大切です。
たとえば、毎月の生活費は普通預金に置き、1年以内に使う予定がない資金は1年定期に預ける。さらに、数年以上使わない余裕資金の一部を投資信託や国債などに分散する。このように分けて考えることで、安心感を保ちながら資産を活用できます。
年金受給者向け定期預金は、生活資金を無理にリスク資産へ回さず、安定的に利息を受け取りたい方に向いています。特に、年金受取口座をすでに指定している金融機関で優遇金利が受けられる場合は、手続き面でも利用しやすいでしょう。
まとめ|年金受給者向け定期預金は「金利・条件・使いやすさ」で選ぶ
2026年6月時点の年金受給者向け定期預金ランキングでは、信用組合 愛知商銀の年金定期預金「雅」が年1.60%でトップとなりました。続いて、横浜幸銀信用組合、大阪商工信用金庫、播州信用金庫、中栄信用金庫など、地域金融機関の商品が上位に入っています。
年金受給者向け定期預金は、通常のスーパー定期よりも高い金利が設定されることがあり、年金を受け取りながら余裕資金を安定的に預けたい方にとって魅力的な選択肢です。
ただし、商品ごとに対象年金、年金受取口座の指定、組合員資格、営業地区、預入上限額、取扱期間などが異なります。金利だけで判断するのではなく、自分が条件を満たせるか、普段使いの口座として便利か、預金保険制度の範囲内で管理できるかを確認しましょう。
定期預金は、資産形成の中では「守り」の役割を担う商品です。年金生活においては、日々の安心感を支える大切な資金管理の手段になります。年金受給者向けの優遇金利を上手に活用しながら、無理のない範囲で、堅実にお金を育てていきましょう。
出典・参考
金融庁 「預金保険制度」
預金保険機構 「預金保険制度の基礎知識」
国税庁 「No.1310 利息を受け取ったとき(利子所得)」
※本ランキングは、2026年6月16日時点で各金融機関の公式ページから確認できた情報をもとに作成しています。
本記事は、年金受給者向けの定期預金金利に関する情報提供を目的として作成したものであり、特定の金融機関や金融商品への申込み・預け入れを推奨するものではありません。掲載している金利や条件は確認時点の情報であり、変更・終了となる場合があります。実際に利用を検討する際は、各金融機関の公式サイト、商品説明書、店頭窓口等で最新情報を確認し、ご自身の判断と責任においてお手続きください。